2016-10-30 11:59

脱退手当金:ある無年金婦人との対話

「ある日、突然」はトワ・江・モアの歌ではなく、私の日常なのである。
ある日、突然、知らない女性から電話があり、直ぐ来てくれと・・・。
話を聞くと、私が定期訪問している80代候後半の老女の妹であった。
結婚して姓が変わっているので、分らなかった。
用件は、姉がボケて来ているので、なんとかせい・・ということらしい。
私は遠方に住んでいるので、お願いしますということであった。

マンションを訪問すると「こんな風になるとは、思っていなかった」と老女は泣いている。
良くある話なんです。どんなに優秀な人間でも、自分がボケてしまうのは、なかなか受け入れられないのです。

介護保険料は支払っているので、介護の認定をしてもらいたいのだが、分らんから手伝えということらしい。
これは主治医からも言われており、先生はいつでも協力すると言っている。
・・・・・それなら、話は簡単なのであるが、思わぬ伏兵があったのだ。
介護でヘルパーさんに来てもらうにしても、タダというわけにはいきません。
介護保険はあくまでサポートであり、自分で何割かは負担しないといけない。
「年金はどれぐらい貰っているのか?」
「貰っていないのです」
「・・・ということは無年金?」
「年金は貰って、使ってしまったの」
「ほえええ」

かつて短期間で会社を辞める女性社員が、厚生年金の脱退手当金を受け取るケースが多かった。
脱退手当金は、昭和60年改正によって廃止された。

彼女は、それ以前に会社を辞めて、溜めた年金は「手当金」で貰い、使ってしまったので、今は無いという。
当時は結婚したら会社を辞める。
そして、旦那の年金の3号なんたらとなるので、あとは心配ないという時代だったのだ。

ところが彼女は結婚しないで再び働きはじめた。
働いたのが個人商店。
ですから厚生年金はなし。
国民年金に入らないといけなかったんですが、なぜか入らずに現在に至る。
過去のことは言ってもどうにもならないので、貯金から出すしかない。
・・がそこまでは我々の係わる部分ではないのです。

数日後、夜の新宿歌舞伎町での会議に行く途中に担当医者から電話あり。
先生も忙しいので、午後7時過ぎに電話かかってくるのでごんす。

その後、先日、町内散歩中のばったり彼女に合ったら、週1回ヘルパーさんが来て呉れることになったと喜んでいた。




ルロイ・アンダーソン作曲の「ブルー・タンゴ」。
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