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2015-12-18 23:42

瘋癲老人日記

小林秀雄の編集による「現代日本文学館」が文芸春秋より発刊されたのは1965年のことである。
書店から営業の方が我が家を訪問して、どうですか?と母に勧めた。
「小林秀雄の選なら、いいわよねお父さん」と母が父に聞いた。
「彼がどんな作品を選ぶのか興味があるね」と父が応えて、
こうして毎月、一冊ずつ小林秀雄が厳選した現在の日本文学が我が家に届くことになった。
私は当時は中学生であったが、両親の話を聞いて「小林秀雄というのは、権威があるなあ。凄い人だろうな」と思った。
大学に入って彼の処女評論とも言える「様々なる意匠」を読み、やはり凄いやつだったと悟った。

さて、その小林秀雄の選だが、彼も、その当時は老人なので、やたらと老人物の小説が選ばれており、
川端康成の「眠れる美女」など、とても中学生向けとは思えない作品を、私は読むことになった。
もちろん「伊豆の踊り子」「雪国」「山の音」も選ばれていたが、断然、「眠れる美女」の方がエロティックである。
小林は谷崎潤一郎をえらく評価していたらしく、谷崎は3巻もあった。
最初の配本は「瘋癲老人日記」であった。
これは、谷崎の最晩年の作品で、1960年頃に書かれたもの。
カタカナで歴史的仮名遣いで書かれた日記形態の小説である。
私は「瘋癲老人日記」という題名をえらく気に入ってしまった。
こんなものを読んでいる中学生は居ないだろう。
夏休みの読書感想文に取り上げようと思ったが、父に止められた。
それでは、「痴人の愛」ではどうか?
「それも、やめれ」とのことであった。

それから50年、私も老人のなったので、瘋癲老人日記を付けることにする。
今まで「悠々なる生活」というシリーズで日記のようなものを書いていたが
老人性金欠病であまり悠々ではなくなったのである。
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コメント

小林秀雄という人は

文芸評論ならば優れた人なのでしょうが、それがすべての分野について及んだのかというと小生少し疑問です。彼は「モオツワルト」でまあすごいモーツワルトの持ち上げ方をします。彼の音楽体験がいかほどか知りませんし、どれほどクラシック音楽を聴きこんだか、また外国でどれほどの原体験をしたか知りません。だからその批評の資格が無いとはいいません。

しかし、モーツァルトを持ち上げるためとはいえ他の音楽家、例えばハイドンに対する批判などは、そこまで言うか?というものです。果たして彼はどこまでハイドンを知っていたのでしょうか。今でもハイドンの104曲とか68曲と言われるような多作家です。それを全部聞く必要な度ありませんが少なくともザロモン・セットと言われる彼の晩年の作品群は間違いなく評価しなければいけません。古典派音楽というジャンルを確立してしまった人物なんですから…小生今思うのですが彼はどこまで聞いていたのか本当に疑問な気がします。

ハイドンは今の指揮者たちが最もやりたがらない音楽家の1人です。もうあらゆることがやりつくされ工夫の余地がないからです。かといって編成が単純で当たり前にやっていたのでは技量がもろにバレる、というのは恐怖でしょう。これは小林が音楽体験をした戦前でもそう変わりはありません。レコードというものは素人ウケするところから作るのです。わかりやすく売れるモーツァルトが多く出るのは当然です。玄人好みの渋さは中々外国じゃあ評価の対象になりません。

ハイドンはモーツアルトが死んだ後にも長く活動します。恐ろしいことにこの爺さんモーツアルトからも多くのものを吸収してる人です。

彼が世に出たのは34歳の時、それからエステルハージ家から離れて自由になったのは実に58歳になった時です。彼の本当の活躍はここからはじまるのですが、これほど世にでるのが遅い人というのは昨今でも珍しいでしょう。だから当時から音楽は計算されつくされ人々に受容されるとともに一定以上の芸術性を保つものでした。「クラシック」となる要素に満ちていたのです。

これほどの人を「くだらない」と切って捨てててるのですから小生などはどうなのよ、と思ってしまうのです。小林秀雄のおかげでハイドンはまともな評価がされないという時期が相当長かったのではないか、と思います。

一芸に秀でた人がこういう評価をしてしまっととんでもない影響を与えたのだとしか思えません。

小林秀雄というとどうしてもこれを思い出してしまうのです。
  1. 2015-12-19 10:24
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