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2011-08-08 20:01

ダーリンと米国の広告業界

 

1960年代末から1970年代初頭に放映されていた「奥様は魔女」

 

奥様の名前はサマンサ。

旦那様の名前は不明なれどダーリンと呼ばれていた。

このダーリンの職業は広告代理店勤務である。

時々、ダーリンの会社の社長も登場したが、小さな事務所程度の会社である。

 

米国の広告代理店、市場調査会社、コンサルタント会社は多数の小規模な会社の集合である。

中には大きいのもあるが、それは例外。

 

前の前の前のエントリーで公正取引委員会の調査を紹介したが、この調査に米国の広告取引についての記述がある。

 

最初に広告代理店はだ誰の代理店なのか?

 

・スポンサーの代理店

・媒体(テレビや新聞)の代理店

 

この2つが考えられる。

 

米国の広告業界は初期に、上記の2つの代理店が競争したが、結局、スポンサーの代理店が勝利した。

スポンサーは競争相手の企業の代理店をしている会社に依頼はしない。情報が筒抜けになるからだ。

その結果、一業種一社制の原則が形成された。

自動車業界でトヨタと契約すれば、日産とは契約できない。

家電で東芝と契約すれば、パナソニックと契約できない。

このような形態では、多くの広告代理店が必要となる。

 

以下、公取調査より引用。

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・ 一業種一社制の形成
広告主の競合他社に対する秘密漏洩を懸念する強い意向を反映して広告会社は取引先広告主の競合他社の広告を取り扱わないという原則(一業種一社制)が形成された。

 

1980 年代になると,大手広告会社の買収・合併が盛んになり,これにより、媒体枠売買と広告制作等を統合化(バンドリング)し、日本の大手広告会社のようにフルサービスを提供するメガ・エージェンシーが現れた。

しかし、メガ・エージェンシーは一業種一社制を維持できなかったことから、多くの広告主は競合他社に対する秘密漏洩を懸念して他の広告会社へと移動したともいわれている。

 

1980 年代末から1990 年代初旬にかけて

〇媒体計画を担当するメディア・プランニング・エージェンシー

〇広告制作を行うクリエイティブ・メディア・エージェンシー

〇媒体社から枠を購入しそれを広告主に販売するメディア・バイイング・エージェンシー

 

など特化した業務を行う中小規模の広告会社が現れた。

 

こうした中小規模の広告会社の成長を背景にメガ・エージェンシーは媒体枠売買と広告制作等を別会社に分離・専門化(アンバンドリング)させる動きが起こった。


一方、広告会社に対する報酬についても1980 年代末以降、広告主からの値引き要求が強まり、コミッション制からフィー制に報酬制度の見直しが進み、さらに成果によって報酬率が変動するギャランティー制等、様々な報酬制度が考案・実践された。


広告主は、広告会社に対して1970 年代にはオイルショックの影響から高い広告効果を求めるようになり、さらに1990 年代には不景気の影響により広告主が株主等から説明責任を求められるようになったことから、より短期的、かつ具体的な広告効果を求めるようになった。

また、データベースマーケティング によって広告主自身が広告効果を広告会社を通さずに直接知ることができるようになるなどのメディア環境の変化もあった。


こうしたことから、広告会社においても広告主に対して広告活動のプロセスやその効果測定結果を的確に伝えるようになり、最近では媒体社からの請求書等のエビデンス(証拠書類)も開示するようになってきた。

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日本のシステムでは、企業の販促活動として重要な宣伝を寡占化された大手広告会社に丸投げするしかない。

米国のシステムではスポンサーが主体的に市場調査を行い、効果を計測して、最適な宣伝戦略を立案・推進できる。

 

そういうことである。

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  1. マスコミの構造
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2011-08-08 16:56

日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない

金融経済が「もうちょっと丁半博打で遊んでいたい」と言っているだけと思います。

世界第2の経済大国の日本の首相がアレでは困るので、もう少し遊んでろ・・・米国の懐が痛むわけじゃおまへんがなと小浜大統領。

「わては9月に、あれと会いたくないのんじゃ。急にメモを読まれても困るけんのう」

 

米国実体経済は良くもないけど、特に悪くはない。

欧州も一部がそうとう悪いが、そんなに悪くない国の方が多いんちゃう?
心配なのは実体経済が貧弱で名目GDPだけ日本を抜いた
中国だけではないの? 

 

それに「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」と日本の財務省も言っておるぞ。

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平成14年4月30日 財務省 
外国格付け会社宛意見書要旨について

 

貴社による日本国債格付けについては、当方としては日本経済の強固なファンダメンタルズを考えると既に低過ぎ、更なる格下げは根拠を欠くと考えている。

 

貴社の格付け判定は、従来より定性的な説明が大宗である一方、客観的な基準を欠き、これは、格付けの信頼性にも関わる大きな問題と考えている。


従って、以下の諸点に関し、貴社の考え方を具体的・定量的に明らかにされたい。
 
 (1) 日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。


 (2) 格付けは財政状態のみならず、広い経済全体の文脈、特に経済のファンダメンタルズを考慮し、総合的に判断されるべきである。
 例えば、以下の要素をどのように評価しているのか。 
  ・ マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国  
  ・ その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安  定的に消化されている  
  ・ 日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高

 
 (3) 各国間の格付けの整合性に疑問。次のような例はどのように説明されるのか。 
  ・ 一人当たりのGDPが日本の1/3でかつ大きな経常赤  字国でも、日本より格付けが高い国がある。 
   ・ 1976年のポンド危機とIMF借入れの僅か2年後(1978年)に発行された英国の外債や双子の赤字の持続性が疑問視された1980年代半ばの米国債AAA格を維持した。 
  ・ 日本国債がシングルAに格下げされれば、日本より経済のファンダメンタルズではるかに格差のある新興市場国と同格付けとなる。
  
 (以下略)

  1. 日本経済
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2011-08-08 09:58

Love is a Many Splendored Thing

 

キング・コールの旦那。安心して聞けます。 

 

 

シナトラの旦那。なぜか普通に歌ってません?

 

 

 コニー・フランシスの姉御。

 

 

不覚にも一番、多く聞いたアンディ・ウイリアムの慕情。

妹がアンディのファンだったもので、レコード掛けまくるもので・・・。

 

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2011-08-08 09:48

慕情

 

「慕情」(Love Is a Many Splendored Thing )は1955年に公開された古いアメリカ映画。

そのデジタル・リマスター版を見た。

あまりの画面の美しさに魂消た。

 

古典的な大人の恋愛映画がである。主人公のハン・スーインは、英国人と中国人のハーフで女医。夫は中国国民党の将校だが中国共産党に射殺されて今は未亡人。

 

アメリカ人の特派員マーク・エリオットはパーティで彼女を見初めて猛烈にアタック。

彼女も嫌いではないようで、話はスピーディに進む。

恋愛というのは、こうしたもので一気に進む。

一気に進まないのは脈が無いということで・・・。

 

でも、エリオットは別居中の妻がシンガポールにおり、離婚の話し合いのためシンガポールへ行くがうまくいかず、二人の関係は香港で噂となり、ハン・スーインは職を失う。

 

まもなく中国大陸の殆どの地域は国共内戦の末に中国共産党率いる中華人民共和国が支配するようになり、

さらに朝鮮戦争が勃発、エリオットは戦地に派遣されるが、そこで戦死する…。

 

ハン・スーインには演技派のジェニファー・ジョーンズ

マーク・エリオットは古典的俳優のウィリアム・ホールデン 

 

 

 

 

 

 

 

デジタル・リマスター技術、おそろし。

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2011-08-08 00:08

「ホテルバー記者」の研究(3)

次にホテルバー記者を取り巻く環境について分析する。

日本のマスコミ、テレビ局、広告代理店の業界は、昔から問題が多く、公正取引委員会が何回か調査している。

 

公正取引員会の調査は、単なる市場調査ではない。

研究を目的とした社会調査でもない。

これは捜査なのである。

取締りに入る前の最初のジャブみたいなものである。

 

この中で広告業界は2005年に実態調査があり、昨年、フォローアップ調査があった。

この調査によると、わが国の広告業界は寡占が進行しており、取引は硬直し、新規参入が不可能となっている。

 

 

 

 

2005年調査報告書に出ている表であるが、

総広告費に占めるシェアは第1位の電通が25.7%で

2位の博報堂DY(16.0%)、3位のアサツー ディ・ケイ(ADK)(6.4%)を大きく引き離している。

 

また、これら上位3社で48.1%を占めているのに対し、4位以下の広告会社のシェアはいずれも3%未満であり、広告会社の市場構造が有力な広告会社とその他中小規模の広告会社に二極化している。

 

これはテレビ広告に限ると、さらに甚だしい。電通は37%であり、上位3社の合計で65%を超えている。

 

広告などセンスとアイディアで勝負の業界が寡占となるのは変なのだ。

それにスポンサーから見ると、商品発売前の秘密の情報を広告代理店に渡さねばならない。

ライバル会社が広告を依頼している代理店には出したく無い。情報が漏れるかも知れないからだ。

 

米国の広告代理店は規模が小さく、1業種1社専属が普通である。

ところが日本では1業種1社は不可能で、上位3社は、3社とも世界の広告代理店ベスト10に入っている。

 

なぜ、ここまで寡占となったのか。

以下は公正取引委員会の調査結果である。

 

<新聞広告取次として発祥>
明治19 年,新聞社と広告主とを仲介する業務を行う独立した事業者として広告会社が誕生した。

その後、社会全体の近代化が進み、新聞が主力広告媒体となっていく中、日本電報通信社(後の電通。当時は通信業と広告業を兼業)は、新聞社との取引に当たり広告を供給することにより業績を伸ばした。


< 広告会社の統合・報酬率(コミッション方式)の導入>
昭和18 年、戦争による広告業の沈滞を懸念した日本電報通信社の働きかけにより、同年、商工省から広告取扱業者数整備要項が発表され、
全国の広告会社186 社が12 社に統合整理され、その12 社の中で日本電報通信社のみが全国規模の広告会社となった。


当時、広告会社の報酬は広告主や広告会社によって異なっていたが、日本電報通信社の働きかけにより昭和19 年に価格統制令が発令され、広告会社の報酬は、新聞社が決定する媒体枠価格に一定の報酬率を乗じて得られる額(普通広告については15%,雑報広告については25%)に決定された(現在も多くの新聞社において当該報酬率が設定されている)。


<放送局との密接な関係>
戦後、GHQ連合国総司令部)の下で電波を民間に開放する方針が打ち出され、日本電報通信社は民間放送(民放)の創設、事業化を関係各界に働きかけた。


この後、電波法、放送法等の成立を経て昭和26 年には民放によるラジオ放送が開始された。


日本電報通信社は民放ラジオ局創設時に民放各社の株主となり、各社の経営基盤が固まるまで役員派遣等により事業計画・番組編成等の指導、経営資金の援助等を行った。

さらに昭和28 年に民放によるテレビ放送が開始された後、日本電報通信社は出版広告を維持拡充することに専念していた他の広告会社に先駆けてテレビ広告に積極的に取り組み、民放各社に強い影響力を有することとなった。

このような取組により電通は優れた媒体確保力を有することとなったといわれている。


< フルサービスに対応できる有力な広告会社への成長>

昭和30 年代以降マーケティング技術の導入等により広告会社の業務範囲は、媒体取引、広告制作から広告主の広告活動の企画・実施、市場調査、需要予測、広告後の効果測定、広告主のブランド戦略、販売・経営戦略等、広範囲に拡大した。
この結果,有力な広告会社は、これらのすべての業務を1社で実施(フルサービス)可能な体制を整え、細分化された業務を行う中小規模の広告会社との間の競争力の格差が顕在化してきた。

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日本のマスコミの支配者は誰なのか?

媒体のみならず、スポンサーの秘密を握り支配している巨大な組織が存在しているのだ。

  1. マスコミの構造
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