2007-03-30 22:54

不二家の謎

不二家の話を聞いた時に、まず思ったのは社内クーデター。
数年前に「公益通報者保護法」が成立してから、
社内反対派にとって、内部告発は強力な武器になっているからだ。

不二家の前の社長は、
「あそこは老舗だし、お金持ちだし、威張っていて、確かに良い感じの人じゃなかったな」と、懇親会等で合った人も言っていたし・・・。
おそらく「社内で人気が無いだろうな」と想像できた。

で、内部告発→経営者追出→新経営陣による再興という推理も充分に成り立つ。

しかし、そうではなかった。
不二家では昨年の秋から、
洋菓子チェーン事業の構造改革を通して事業再生を目指す「2010推進ブロジエクト」を立ち上げていた。
このプロジェクトにおいて外部コンサルティング会社が作成した文書が、本年1月にマスコミに流出したのが、今回の騒動の契機なのだ。
この報告書には、
・埼玉工場の鼠の問題
消費期限切れ牛乳の使用の問題
この2つが改善すべき問題として指摘されていたという。

すなわち、不二家は将来に向けて社内改革をやろうとし、外部コンサルティングに依頼して、
社内のシステムの総点検を行い悪い部分を抽出した。
それから、これを改善する改革案がつくられ、行動計画が示される予定であった。

ところが、その改革にため抽出した悪い部分が
なぜマスコミに漏れたのか?
改革するのは、悪い部分を直視しなければならない。
そのため、コンサルタント会社は、全てを知る立場にあるが、それを外部に漏らさない「機密保持契約」を結ぶはずである。信じられない話だ。

不二家は改革をしようとしていた訳なので、
それを社員が内部告発する必要は無い。
こういうプロジェクトは全社キックオフなどをやって、
盛り上げるはずだから社員は知っていたはずだ。

すると、外部コンサルタント会社の情報は
何らかの目的で盗まれた可能性がある。
それは株価操作・・・ではないのか?

現在は誰でも株の信用取引を普通にやる時代である。
現物取引なら、株は上がらないと儲からない。
信用取引なら、売りから入れば、株が下がれば儲かるのである。
そして、株は上がるのはゆっくりだが、下がるのは早い。
「下げはいつも暴落。ラッキー」なのである。
スキャンダルがマスコミに流れる日が明確に分かれば・・・・これは美味しい儲け話ですよ。

今回の事件で、不二家の株の動きは少し変だった。
ドーンと落ちてから、暫くたって回復に向うと、
今度は蛾の混入のニュースがながれ、また株価が落ちた。この繰り返しであり、どうしても下げたい人達がいると感じさせた。

さらに怪しいのが、テレビ報道に出てきた「顔を隠した従業員のコメント」である。本当の従業員なのか?
不二家の信頼回復対策会議は全てを詳細に調べ、公的に発表してもらいたい。

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  1. 日本経済
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2007-03-29 01:29

選択肢が少ない地方の新聞事情

金曜日から妹が東京見学に来ていた。
私の家で産経を読み「都会は良いな」と言う。

妹の家は地方で朝日新聞を購読している。
それで、東京の友人達に「今時、朝日を取るなんて偏屈な人間だと思うよ」と言われており、本人も朝日の偏向振りに気付いているのだが、変えられない理由があるという。

人口1万人程度の町で、新聞屋は1軒しかなく、
その新聞屋が扱うのは朝日、日経、地方新聞の選択肢しかない。
日本経済新聞は必要ない。共同通信の記事のまる写しの上に、内容が貧しい地方新聞はとりたくない。
すると朝日しか残らないのである。

過去30年間で一度も、読売の営業マンが゙来たことはないという。まして、産経など、町の人は誰も存在を知らない・・・・。
新聞は配達しなければならない。
ぽつんと離れて一軒だけ購読しても、毎日、朝晩と届けねばならない。新聞販売店は採算が合わないのだろう。


下の折込広告の部数のサイトで、妹の住む地域を調べたら、圧倒的に朝日のシェアが高かった。他の新聞は・・・極端に部数が少なかった。
確かに言うとおり、選択肢が少ないのだ。

http://www.orikomi.co.jp/Service_Information/Orikomi/Circulation_List/index.html

選択肢が豊富になるの、ある程度の人口のある中核都市以上である。

  1. マスコミの構造
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2007-03-26 00:59

日本人と英語

日本人は中学から英語を習い、殆どの人が大学まで進学する現在では中学3年、高校3年、大学4年の10年間は英語の勉強をする。
しかし、10年間勉強しているのに、英語が使えない・・・
と言うことになっているが、これは嘘。

イザとなれば使えます。
魔法の力で、そのあたりを歩いている日本人を
米国のど真ん中にワープさせれば、
ちゃんと英語を使い、日本まで無事に帰ってくるでしょう。
日本人が英語を使わないのは、ただ、使いたくないだけです。
外人と話すのがお嫌い・・・という趣味の問題です。

米国に行けば英語の使えない人は沢山おります。
レストランに入り、最初にテーブルの上を拭きに来る人は、英語が話せません。話しかけても返事もしません。ただ、黙々とテーブルを拭き、去っていきます。
沈黙の男が去ると、ウエイターが登場します。彼は英語が話せます。料理の説明も出来ます。
英語が話せる分だけ、テーブル拭きより給料が高いのです。

日本人は、このテーブル拭きの水準ではない。
メニューも読めるし、注文も出来る。
その程度の事は日本の学校で学習しています。
これは英語が使えるということです。

私のように米国の中小零細企業ばかりを回っている人間は、仕事で白人に合うということは殆どありません。ヒスパニッシュか黒人か、アジア系ばかりです。
ヒスパニッシュの多くはメキシコ国境から不法に入国し、米国の労働規制である最低賃金以下で働きながら、カリフォルニアあたりの移民局の前に行列して、
いつしか米国人になった人達です。
昔、ロスの旧日本人街にあるホテルの窓から、
移民局に並ぶ人達の行列が見えました。

ヒスパニッシュは、英語は得意ではないようです。
かって旅先で車がエンコして、
街道沿いの自動車修理工場に入ったら、
ヒスパニッシュ系と思われる経営者は、ニコニコするだけで、何を話しても返事をしてくれない。
そこで、已む無くジェスチャーで故障を伝えました。
彼は、車を点検して部品屋に電話を掛けて、パーツを取り寄せて直してくれました。
この部品屋の配達員もヒスパニッシュで、親父と親しげにスペイン語で話してました。

米国は多民族国家であり、同じ言葉を話す人が集まって住んでいるので、英語が話せなくても日常生活になんの問題ないのです。
事実、ヒスパニッシュの居住地区にある店舗に行けば、商品のパッケージに書いてある説明も、スペイン語だけです。
パッケージに英語、スペイン語、中国語、韓国語などで説明を入れると、字が小さくなるし、印刷代も高くなるでしょう。インクも使うし・・・・。
そこで、企業もスペイン語地区に販売する商品は、スペイン語の説明だけにするのです。
同様に韓国人は韓国人だけで住んでいます。
新大久保の韓国人街と同じ雰囲気です。
イタリア人はイタリア人だけで住み、
アイルランド人もアイルランド人で集団を作り住んでいます。
彼らと友人になるとアイリッシュバーに連れて行ってくれます。
その店では皆でアイルランド民謡を歌いながら踊っています。

日本人は、日本人街を作るほどには米国に居住していません。
人数は圧倒的に少なく、他の民族のように群れないのです。それに、戦前からの日系人は、あまり日本人が好きでないような気がします。
「あの店のオーナーは日系人」と聞いて訪問しても、口も聞いてもらえなかった経験があります。

日本人同士でもう少し助け合えたらなあと思います。
日本人が群れるのは、団体旅行だけのようです。

  1. 教育
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2007-03-25 10:18

直線ラインは落ち着かない・・・タイ人の感覚

タイの工場で、先方の経営者から頼まれて生産性向上指導をした人に聞いた話。

最初に工場に行くと、照明が暗く、さらにラインが曲がりくねっている。
別に工場の床面積が狭いわけじゃない。
何故に???

そこで、ラインを直線にした。
すると床面積が広いので左右に大きな空間が出来た。そこに部品を並べた。
ラインの上だけを明かるい照明に変えた。
工員の歩く距離も大幅に減り、無駄な動きが無くなり、効率が上がった。

工場の経営者も従業員も喜んでくれた。
それで安心して日本に帰った。

約1年後に再訪問すると、
驚いたことにラインは昔のように曲がりくねっていた。
部品の配置も、直ぐ取れるようにではなく、若干のインターバルを置いて取れる位置に、わざわざずらしていた。すなわち、わざわざ、取りにくくしていた。

何故に??

貴方の指導した直線ラインは確かに効率的だが、
「落ち着かない」と従業員が言うので、
さらに改善して、このような状態になった・・・と経営者は言う。

日本人はラインを直線にしないと落ち着かない。
タイ人は、曲げないと落ち着かない。
これは民族の美意識の違いかも知れない・・・と彼は思ったという。
タイの寺院の装飾を見ると、空間を細かな模様で埋め尽くそうとする。
日本の日の丸のように、周囲に白の空間を置く感覚ではないのだ。
敷地面積の全部を、機材と材料で埋めるような配置が彼らの「落ち着く」工場なのである。

  1. 日本経済
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2007-03-24 03:16

ところで、誰が造るの?

現在、日本各地に新しい工場が、
けっこうジャンジャン建造されている。

ところが人の手配が出来ているとは思えない。
日本には失業者がいる。ニートもフリーターもいる。
それで格差が広がっていると、お馬鹿な議論をする人達が五月蝿い。

でも、彼らは工場では働かない。
居酒屋でアルバイトはするけれど、工場では働きたくない。

日本の失業者は「自分の希望する職業に着けないのが不満なので、働かない」のであり
「働き口が無いから働けない」のでは無い。

製造業ばかりではない。
農業の漁業も林業も人手不足である。
漁師のなり手がないので、船を出して洋上で他国の漁船から魚を買ってくるという状態なのだ。

日本の工業が東南アジアに進出したのは、
人件費が安いだけではなく、工場で働く人が存在したからだ。

しかし、これも終わりになった。
90年代末にはタイやマレーシアにおいても、工場労働者が不足した。
そこで、タイはラオスやビルマから労働者を入れた。マレーシアはインドネシアから入れた。
しかし、彼らは技術を持たない非熟練労働者だから製造品質が大幅にダウンし、
さらに職を求めて隣国から人が流入し居住地の治安も悪くなった。そのため政府が強制送還を行ったが、そのあおりで工場の生産がストップして閉鎖される例も出てきた。

2000年以降に欧米日の企業が中国に進出したのは、中国の地方政府が美味しい外資優遇策で宣伝したからだけではなく、労働者不足の問題もあったのだ。

中国からの撤退は良いが、で、誰が造るの?
と言う問題は残るのである。

  1. 日本経済
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2007-03-18 22:44

図面泥棒に思う

アジアのどこかに、日本から盗み出した、各種の工業生産品の図面を販売するブラックマーケットが存在する事は、業界関係者なら皆、知っていることである。

それも、デンソーのような超一流の大手だけではなく、「何故、当社のまで盗まれるの?」と驚くような中小企業の図面も盗まれている。
某中小企業にての会話。
「これが最近、発見された偽物です」
「出来はどうですか」
「外見はそっくりですね」
「やはり図面が流出したのでしょうか」
「日本の図面なら高く売れるので、見境い無く盗まれるようです」
「失礼ながら御社の商品の偽物は需要があるのでしょうか?」
「本物も売れないのに、偽物が売れるとは思えないのですが・・・・」

図面泥棒が発覚するのは、偽者が出回り被害が出てからであるが、それも「警察が知らせてくれたので分かる」という状態。
被害届を出して貰わないと捜査が出来ないので、警察が企業に連絡してくるのである。

この図面のブラックマーケットは、世界中の先進企業から盗まれた技術が゙販売されており、
イランもブラックマーケットで核弾頭を製造するための資料や図面をを購入していた・・・という報告が国際原子力機関から発表されるほどである。

ここ数年で、企業のセキュリティ管理は、急速に強化された。
指紋認証等が導入され、特定の人物以外は機密文書のあるエリアには立入禁止となっている。

こうしたセキュリティ技術面でも第一線のデンソーだから、何が盗まれたのか気になるところであるが。

  1. 中国
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2007-03-13 20:12

あきれた世論調査

30年まえに世論調査の調査員を経験していた私は、
いくらないんでもサンプルが500とか1000とかはあり得ないと思っていた。
ところが、注意してアンケート調査の結果を読むと、
500から1000の無作為抽出らしいのである。

確かに500や1000でも有効な結果が出るテーマはある。
チーズとかラーメンとか餃子の味なら、それで充分だ。
旨いか不味いかなのだから500人が食せば、ほぼ分かる。
しかし、政治的なテーマは、そうはいかない。
職業、年齢、性別、所得階層の違いで、様々な反応が予想される。
500人でも1000人でも、その回答者にバランスが取れていれば、まだ分かる。
無作為抽出の500人では話にならない。

ある商社があった。
そこに、あるメーカーが商品を持ち込んだ。
「500人の無作為アンケートで、良い結果が出ました」
それを信じて販売を決める担当者がいれば、単なる馬鹿者である。

無作為の場合はサンプル数を多くして、
国民の平均的な職業、年齢、性別、所得階層のバランスに近くならないと意味が無い。

さらに、電話による調査・・・まさに愚か。
・ビジネスマン、若者は携帯電話であり、普通の家庭電話は使わない。
・携帯電話の場合、常識人は登録ナンバー以外は出ない。詐欺商法の鴨にされるから
・家庭用電話でも、一般家庭では登録ナンバー以外は出ない。振込み詐欺対策。

だから500人に電話を掛けても、普通の感覚を持つ用心深い人々はまず電話に出ない。
電話に出るのは個人で商売やってる人(三浦庵の蕎麦屋など)と、振り込む詐欺に合う可能性が高い無防備な老人だけである。

そのレベルの調査なら、
単なるネタとして「言ってみる」程度のものである。
「僕、安倍ちゃん嫌いだから書いちゃった」という程度のお話のようだ。

  1. 日本経済
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2007-03-10 04:45

悲しい獣道

獣道とは動物が通る道である。
山の中には獣道があり、獣は何時もそこを通り食事に出かけたり、水を飲みに行く。

人間が山の中に道を作ると獣道が寸断される。
獣道を突っ切るように自動車道ができると、動物の交通事故が多発する。
遮断機も信号もないのだから。
動物達は本能のまま、太古からの獣道を渡り、車に轢かれて死んでしまう。

これと同じことが中国の地方で起きている。
ただし、道を横切るのは動物ではなく人間である。

急速な経済の発展により立派な道路が出来た。
しかし、運転は民族性が出て「我先に」である。
世界で最も自動車のクラクションを鳴らすのは中国人であろう。
前に少しでも空いている場所があれば、
強引に路線変更して割り込んで来る。
その時にクラクションを鳴らすのだが、
それが狭い道路のあちこちでやっているので、
路上にはいつもクラクションがなり続けている。

「渋滞してるのだから、少しぐらい追い越しても、着くのは同じだよ」と、日本人は思うが、
全員が「他人の事はどうでも良い、自分だけは先に行きたい」
と思っている彼の国のドライバーは、乗用車、小型トラックはもちろん、
大型トラック、さらに軍用トラックも強引に車線変更してくる。

ところが、車が先を争いドライバーが殺気だってクラクションを鳴らしている道を、悠々と横切る人がいる。
「おい、彼は何だ。死にたいのか?」と日本人の私は叫ぶが、これは普通のことらしい。
運転手の中国人が言うには「おそらく彼は、この道ができる前から、この地方に住んでおり、いつも、ここを横断していたのだろう」とのこと。
当時は長閑な農道だったかも知れないが、今は高速道路だ。
「他に渡るとこはないのか」
「無いから渡るのだと思うが、単なる習慣かもしれない」
・・・しかし、注意してみると道路は田園の中央を横切っており、確かに渡るところは無い。
これでは獣道を遮断された動物と同じではないか。

中国では年間10万人が交通事故で死ぬと報じられている。最近は少し減少したとの発表が昨年の秋にあった。
しかし、私の友人は皆、「10万人は少なすぎる」と言う。何回も交通事故を目撃しているからだ。

この国に民主主義が根付くとしたら、
まずは他人を思いやる心が育ってからである。
交通事故が起きると、ドライバーが喧嘩をする。
周囲の車のドライバーが集まり、どちらが悪いと議論を始めるが、やがて公安が登場して、全員が静まり(水戸黄門の印籠出し場面参照)一件落着となる。
たとえ公安が悪であっても、この国のトラブルを解消するには、公安の権威が必要だと思わざるを得ないのだ。


高速道路の渋滞。事故なのか?
理由は全く分からずに、ただ耐えるしかない。

  1. 中国
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2007-03-09 00:22

主要国GDP比較(2005)

主要国のGDPを米ドルベースで多い順に並べる。
2000年に同じ表を作ったが、大分、変わっている。


まず、日本と米国の差が付いた。
2000年頃は米国の約半分はあった。
ドイツとは、かなりの差があったが、迫られている。
でも、これは為替の関係も影響している。

その他では中国インドブラジル、ロシアの躍進。


さらに世界銀行の2005年のデータより作成。


  1. 日本経済
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2007-03-07 23:35

実態経済の諸相(国内総生産)

ビジネスマンたるもの、株価と為替と原油先物価格の推移は朝昼晩とチエックするが、
これらの細かな動きは政府、企業、金融当局の発表するイベント指標に左右される。
毎週、どのような指標が発表され、それを投資家がどう判断するかで、右往左往するわけだ。
しかし、これらは株屋の相場経済学である。

実際に発表される数字は速報値であり、
それらは後日、修正される。

一方、実態経済は株屋の経済学とは別に動いている。
株屋の経済学では90年代は不況ということになっているが、実態経済のプレイヤーは、そのようには認識していない。
日本経済が停滞し始めたのは1998年頃であり、
それ以降は、伸びなくなった。
しかし、98年はアジア経済危機の年であり、
タイ、マレーシア、韓国などは深刻な影響を受けた。
日本の停滞は、諸外国から見たら、羨ましいような幸福な停滞なのである。

重要なのはボリュームで押さえることである。
しかし、そのボリュームを国際比較する時は、為替の影響を考慮しなければならない。

例えば国内総生産GDP)である。
これは国内指標であるから本来は国際比較できない。
比較しようとすれば、どこかの国の通貨に直して比較することになる。
例えば主要国のGDPを米ドルベースに直して比較すると、以下のようになる。




ドルベースで日本のGDPは2000年以降、やや減少しているが、
円ベースでは停滞しているものの、減少はしていない。
このような差が出るのは円安のせいである。
1995年頃は1ドル100円を切ることもあったが、
現在では115円から120円を往復している。
この差は大きいのである。
かつて米国のGDPの約半分近くあった日本のGDPは、現在ではかなり差を空けられているように見える。
しかし、ここにもう一つの要素に注意を払う必要がある。
日本は1990年代以降、人口が殆ど伸びていない。
しかし、米国は世界各国から移民が流入して人口が激増しているのである。
人口が増えれば、それだけ生産を上げねばならない。日本は、人口が増えないのだから、停滞していても問題ないのである。

欧州諸国は日本と同様に人口は増えない環境にあるが、経済が成長して「働き手」を海外から迎え入れている。これが深刻な治安問題を引き起こしている。
日本は豊かなる停滞でいくべきであり、
これ以上に経済を過熱すると、後悔することになる。



次に欧州諸国の動向を見ると、日本と逆の現象が出ている。
1990年代が停滞し、2000年以降に伸びている。
これは、2000年以降のユーロ高が影響している。
なお、冷戦時代に巨大帝国に見えたロシアが、かなり下の方に見える。



最後にアジアの動向だ。
1980年以降の日本の成長率は素晴らしいものがある。
これは1985年のプラザ合意以降の円高により生み出されたものだ。
円高は日本経済の成長にドライブをかけた。
円高になると日本経済が弱まるというのは誤りだ。
原油を安く買うには円高が必要だ。
日本は原油も原材料も、穀物も購入している。
プラザ合意以降の円高がなければ、今の日本は無いだろう。

次に目を引くのが中国の成長だ。
1980年頃は中国韓国インドと大きな差がなかったが1990年台の後半から中国が急速に伸びている。
中国のGDPは、諸外国と計算方法が違うようだし、この数字を信じている人は殆どいない。
しかし、欧米日の集中的な投資が経済を成長させたのは事実である。
その中国も、現在は転換期に入っている。

今後、大きな影響を与えるのが円の動向である。
円が安いのは、日本経済が弱いのではなく、
別の要因であると私は感じている。
それは何故か?
それが判れば日本の将来が見えてくる。

  1. 日本経済
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