2016-05-02 10:46

小売の分際

5年ぐらい前にやってしまった失敗について、ようやく整理が付いた。
中小の小売が、よくやってしまう失敗である。
それぞれの商品の工場出荷原価は、かなり安いのだが、それを知っている小売は自分で作りたいと思ってしまう。
さしあたり、どういう商品を、どのような品質で、販売価格をこれぐらいすれば、お客に喜んで戴けることは分かっている。
だから、既存の問屋から流れてくる商品に不満がある。
これでは売れないと分かっている。
だから、この思いが募り一度はやってしまうのだが、多くの場合は失敗する。

2011年頃、民主党と白川法王がとんでもなく円高にしたので、
中国の工場に依頼して製造し、コンテナで運び、自社倉庫に収めて、販売することにした。
中国はローテクの部分は、しっかり製造するので、ハイテクな部品は日本から運び、組みつける。
その結果、剛性は高く、かつ高性能という商品が出来て、これを低価格に設定したら、極めて好評であった。
メデタシ、メダタシ。

・・・・・とはならなかったのね。
確かに地域市場では好評であったが、在庫が掃けない。
売れども売れどもなくならない。
2年程度でなくなるかと思ったら・・・まだ、なくならない。
なくならないのに再発注する羽目に・・・。
商品にはラインナップがあるのです。
サイズの違いとかカラーの違い。
売れるサイズと売れるカラーがある。
経験上、そういうのは分かっているので、売れるサイズ&色を多く作り、売れないのは少なく作る。
それは、やったのだが、市場はキマグレで予測どおりには行かない。
それで、在庫が足りなくなると再発注しないとならない。
自社で製造なので問屋に電話を掛けて「もって来い」というわけには行かぬ。

工場に少量の追加発注だと高くなる。
場合によっては受けない。
ですから、再び大量発注しするしかない。
この時、一度、やってしまっては、もはや抜け出すことは不可能だと悟った。
それで、ずるずる続いたのだ。
デッドストックと倉庫料を考えると、製品コストはいくら安くても、実は高いものに付いてしまう。
小売というのは市場が限定されている。
他の市場に販売することは出来ない。
従業員はギリギリに絞っている上に、求人しても来ないし、雇っても3日で「できません」と辞める今時の情勢では、とても隣の市場に売ることは出来ない。
そこで、都内の他の市場に居る仲間に声を掛けて売ってもらおうとしたら、
「在庫はやーよ。置くところないんだから。地価は高いし」
そこで送料の問題が出て来た。
「いつも来る問屋は送料なんて取らないよ。ただで持ってくるなら売りますよ」
宅配料金を当社持ちで、相手の欲しい時にジャストインタイムで届けるなんてできないので、諦める。
この時、問屋さん、あんたはエライとようやく気が付きました。

さて、以上の経験からわかるのは、流通面での改革を進めれば、物価はまだ下がるということである。
より広い市場の複数のプレイヤーとのネットワークが組めれば当社の問題も解決したはずである。
それから扱う商品の単価、地理的条件、地価、人件費により事情は全く異なる。
生鮮食料品などは生鮮であることが命である海外からの参入は難しい。
現状では国産の2級品は市場にも一部しか出回ってない(わけあり品として通販の商材)ので、
安くしようとすれば色々可能である。
さらに、賞味期限切れの廃棄問題がある。
マスコミが騒ぐので賞味期限が厳格となり、営業中もどんどん廃棄しているのが現状なのであるから、
農産物の輸出・輸入とか騒いでいる人達は何を考えているのやら。

こうしてデフレはまだまだ続く。
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2016-05-01 11:23

死んだのは奴らであった

予測していた通り、今回の消費税率アップでの企業淘汰は凄まじい。
私の仲間でも3社が廃業した。
3社とも家族経営の有限会社か個人経営である。
最底辺に勝栄二郎の祟りが来たようである。

3社のうち1社の社長は廃業後に急死した。
遺族は「頑張り過ぎたようだ」と話していた。

1社は料金が払えないので、問屋から仕入れが止まった。
今時は不渡り手形で倒産なんて、昭和のような話は無いのです。
まず、保証金を没収され、1度でも支払いが遅れたら取引はストップしてしまいます。
だから倒産にならずに、商売の存続不可能による廃業です。
「倒産が減っているから景気は悪くない」などと喋っている経済評論家の皆さんは、勝手に夢でも見ていてください。
もう1社は静かに廃業して、その後、社長と連絡取れないのでどうなってるか不明。

お役所も、零細規模で個人経営の企業がこの2年で減少していることは把握しているようです。
消費税の件でヒアリングの電話が掛かって来たので、鎌を掛けて聞いたら、わかっては居たけど、どうにもならないでしょうね。
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2016-04-14 09:40

一緒に付いていかなくても良い

竹下さんがプラザホテルで「ウン(諾)」と言ってから、円高が進み、日本の輸出産業は大打撃を受けた。
この記述は間違いではないが、輸出産業と言った場合、なにを思い浮かべるのかが、
実業の世界の住民とそうでない人達とは違うんです。
日本には巨大にして良質な内需がある。
国内市場ですな。
良質というのは、買ったらちゃんと金を払う・・払える国民がいるという意味です。
この国内市場は環境が良いので大変、競争が激しい。
だから製造業でも品質の良い商品を作れないB級事業者は、国内の競争で負けるので輸出するしかない。
当時の輸出先は米国です。
あの市場は巨大な上に、富裕層と貧困層とさらに、その下に別れている。
中間層はレーガンが規制緩和を推進したので、居なくなった。
ですから日本でB級であっても、米国の貧困層市場では「なんて、モノが良いんだ」と十分に受け入れらていた。
この輸出専門の日本の事業者が1ドルが360円だったのが、220円になり、120円となれば、もう無理っすとなり、壊滅したのである。
その市場はクリントンが日本パッシングして、中国の製造業を廻り、中国にライセンス生産せている。

その後、日本の中小製造業は海外展開と言えば大手に付いて行くしかなかった。
大手組立工場の近所に工場を進出させて、大手の組立工場にだけ納入する。
国内取引を海外に場所を移しただけというコバンザメ商法のみ。
現地調達率の向上が求められるので、材料は現地調達。従業員も現地雇用。

これは2006年頃から激変した。
日本の中間財(部品・材料)の高品質が評価され世界から引き合いがどんどんと来ている。
日本の輸出の中で(食料品なども含む全輸出)
部品などの中間財・・・50%
高品位の素材・原料・・25%
耐久消費財・・・15%
その他・・・10%

金融経済の評論家の方々が、日本は韓国に負けた、
ハイテク機器の生産は中国が世界一じゃあと騒いでいたのは耐久消費財の分野だけの話。

このように中間財に輸出が増える中で、TPPは原産地規則が完全累進制であるため、
中小企業であっても、わが国に居ながら海外展開が可能になるのである。
大企業に付いていかなくても、海外に工場を立てないでも、現地の従業員を雇わなくても、
今までの従業員を使い、そのまま海外展開が出来る。
なぜなら日本国内はTPP域内であり、日本製品はTPP域内製品であるからだ。
今までも十分競争力があった日本の資本財が、さらに伸びる可能性が増えたという話である。
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2016-03-20 18:14

消費税以外は減税。でも消費税が重税過ぎて、どもならん。

二年連続の黒字なのである。
税額を計算して見ると減税されてます。
まんず、民主党の遺産である復興特別法人税ちゅうのが消えた。
平成26年度税制改正で復興特別法人税を1年前倒しで廃止することが決定された。
復興特別法人税額は基準法人税額に10%の税率を乗じて計算した金額なんだが、
これが廃止されて麻生さんのホッケの煮付けとホテルバー記者暗躍時代の税額に戻った感じだ。

そして・・地方法人税という名の国税が始まった。・
この話はややこしいが、私は事前に区役所で説明を聞いていたので、直ぐわかった。

消費税率がアップすると地方消費税もアップする。
東京なんて消費がビックですから、地方消費税がアップすると、どんどん税収が増えるのが怪しからん。
「国税が増えるのは良いが、ついでに都税事務所が税収になるのは許せない」(悪の枢軸・財務省)・・ということで、始まったわけですたい。
要するに、地方消費税で税収になる分は、財務省が一所懸命にマスコミ工作をやり、議員に脅迫まがいの「ご説明」を繰り返して、ようやく実現したものだから、お前らにはやらん。
・・・ということで、地方法人税という名前で企業から分捕る。
その代わり、お前らは地方法人特別税(都民税)は減税。法人都民税も減税するのだぞ。

区役所が言うには、これで、区の財政はかなり厳しくなるとのことだが、
まあ、連中もシミレーションして言ってるので、そんなものか?

その結果、当社の場合は、去年は当期税引前純利益金額の31%を納税していた(国税と地方税の合計)。
今年は29%となった。

嬉しい・・・・というわけにはいかない。
消費税が従来の1.6倍になっているから。
その額たるや、国税・地方税どころの騒ぎではないのです。

恨むは勝栄二郎。

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2015-09-20 22:04

中小企業物語

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日本経済新聞等の株屋の新聞の記者の眼中にはないが、世の中には「中小企業」というものがあるそうだ。
ちょっと調べてみるか・・・・と2004年から「中小企業実態基本調査」なるものが始まった。
この調査が中小企業の実態を完全にとらえているとは思えないが
中小企業の従業員数は2782万人。年間売上高 504兆円と推計されている。

中小企業の中で大会社の子会社は2%、関連会社は1%である。
残りの97%は独立系の事業者である。

独占禁止法の中の下請法の対象となるのは3%である。
97%は下請法の適用を受けない。

像やライオンの居るサバンナの中の、兎や野ネズミのように法的な庇護はないのである。
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2015-07-07 22:46

沈黙の時代

景気が悪くなると「あかん」とか「どうなってるの」とかぼやくものだが、余りに悪くなると黙ってしまう。
悪い状態を気付かせないようにする。
今は、そのような時代となった。
前に何回か書いたが悪くなったのは去年の9月からである。

http://yuyuu2013.blog.fc2.com/blog-entry-4136.html

消費税増税後の4月、5月、6月、7月までは対前年比プラスであったのだ。
消費税増税の影響が消えて経済がV字回復するはずの9月から、まさかの腰折れ。
その後、どんどん悪くなって対前年比25%減とか、20%減ともなると、沈黙の艦隊になるしかない。

ただし、去年の9月に販売価格を消費増税前の水準まで値下げした事業者も、ここに来て力が尽きたようである。
人手不足による人件費の値上がりが厳しい。
値上げか廃業かの選択肢である。

6月末で仲間の数社が廃業した。
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2015-06-16 09:28

小規模企業白書が出た 

業種にもよるが大企業とは資本金3億円以上で従業員300以上である。
卸売業の場合は資本金1億円、従業員100人以上ね。
この基準で分析すると「大企業」の数は極めて少なく、98%ぐらいが中小企業になると思う。
それで中小企業庁があって、中小企業白書を発行しても、ポイントが絞れないのではないかと思ってきた。

中小企業と言うのは大企業になりたい企業であるが、努力不足な企業・・・・というような論調で書かれていてですな、
生産性向上だの、財務体質の改善だの、近代化資金だの、下請法など・・・これが従来の中小企業政策であった。

中小企業と言うのは大企業になりたい企業ではないし、努力不足の企業ではおまへん。
・・・と何回も、このブログで書いて来たのである。

そこで、今年、初めて「小規模企業白書」なるものが発表されたので読んでみた。

「我が国に存在する385 万者の中小企業の約9 割、334 万者を占める小規模事業者は、地域に密着した活動体として地域の経済社会・雇用を支える礎ともいえる極めて重要な存在である。」
なんと334万者が小規模企業・
この計算だと、わずか51万者が小規模企業ではない中小企業ということになる。

小規模企業とは商業、サービス業で従業員5人以下、その他の業種で従業員20人以下である。
これが334万者もあるのである。
者となってるのいは会社もあれば個人従業者もあるからだ。

この小規模事業者が下請法の対象にはならないことは分かるでしょう。
従業員20人以下の大企業の下請けなどありえない。
下請法の適用は大企業の下請けとして契約している企業なんですから。
大企業の下請けの中小企業の下請けの、さらに下請けに、さらに下請けというのなら、まだ安定した企業であり、
殆どが大企業とは縁も、ゆかりもないのです。
「確かに中小企業の景況感は悪化してますが、雇用は増えており、悪いニュースじゃないです。
大企業の好景気がまだ下に波及してないからです。今後は下まで波及しますよ」と、
マスコミで長閑な事を言ってる人は多々ありますが、大企業が好況であれば、すでに波及する所には波及しております。
今、波及してないということは、永遠に波及は無いということが、分からないようですな。
小泉さんの時もそうでした。好景気になると人出が集まらないので廃業の危険が増すばかりです。
マスコミに登場する評論家が見ているのは、大企業+51万者のレベルでしょう。

小規模企業白書の冒頭部分に以下の文章があります。
------------------------------------------
「成長発展」は、規模の拡大の概念である。売上げ、利益、従業者数などが伸びるよう支援することを基本理念とするのが中小企業基本法ということである。これに対し、「事業の持続的発展」は、売上げ、利益、従業者数などの規模の拡大を必ずしも求めず、技術の向上や雇用の維持に努めることも積極的に評価するものである。小規模事業者の77%が、組織的発展を志向しない「維持・充実型」の事業者であることを踏まえると、今回の小規模基本法の制定により、我が国の中小企業政策は大きく舵を切ったと言える。
------------------------------------------------
ようやく・・舵を切ったのは良いが・・・
---------------------------------------------
また、小規模支援法では、この基本原則に則りつつ、地域に根ざした各地の商工会及び商工会議所が、小規模事業者の持てる力を最大限引き出し、総力を挙げて販路開拓支援を行う体制を構築の支援を掲げた。
このように、2014 年度は国における小規模事業者の振興施策の方向性が大きく転換した年であった。
------------------------------------------------
でも商工会議所はあまり期待できませんけどね。
実は小規模企業の世界は実に活力があって面白いのです。
ベンチャー企業なる言葉は米国から来たものですが、日本の小規模企業は最初からベンチャー企業です。
この活力、開発力を生かすような施策が必要です。

小規模企業支援法が事業継承策に力を入れているようでは駄目です。
継承する価値ある企業は継承されるし、価値の無い企業は消え去るのみです。

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2015-03-04 10:27

相互扶助は競争のため、防御のため

数年前、事業協同組合を作った時に「これから組合員は競争ではなく、相互扶助だからね」と確認そたのだが、
私も含めて、誰もピンと来てはなかった。
「やはり競争がなければ、進歩しないのでは?」と思っていただろう。
「今まで競争していたのに、急に相互扶助といわれてもねえ」というのが本音。
しかし、今では誰もが相互扶助を実感している。
一つの企業体となるまでにはあと一歩であるが、今後は一体化に努め、
その後は先輩諸氏の引退に備え株式会社化を図ることになるだろう。

相互扶助はあくまでも組合の内部だけの話である。
新自由主義の弱肉強食の嵐の中で、組合の外にある大手企業とは当然のことながら熾烈な競争がある。
強大な競争者と戦うために、内部は相互扶助なのである。

零細企業では技術開発や商品開発のための予算が少ない。
しかし、20社、30社と集まれば、その少ない予算も20倍、30倍になる。
その予算で各社の技術者を集めて共同開発を行う。
その成果は組合員全体で共有する。

実際のところ優秀な技術者は20社、30社の中でも数人しか居ないので、
その成果は一部の組合員のものであるが、その数人の技術者も金が無ければ研究出来ないので、
組合への各社の出資金があって、はじめて成果が出せるのである。

そして、零細企業が1社で良いものを発明しても、販売ルートが無いので、商品化が出来ない。
組合で、その技術を共有することで、販売ルートが確保され商品化が実現する。
また、組合が技術を保有することで、技術が守られる。
零細企業の開発した技術なら会社がM&Aされたら終わりだからだ。
「どうせ、御社では商品化できないから、会社ごと売りませんか」という話は実際にある。
そうなれば「今までの10年、20年の努力はなんだったんだ」ということになりかねない。
相互扶助は防御でもあるわけだ。

日本には志があり、頑張っている人が居れば応援しようという気風が、かろうじて残っている。
設備投資に金が掛かるテスト機関だが「いいよ、只でやってあげるから、そのかわり良いものを作れよ」という経営者も存在する。
「求めよ、さらば与えられん、尋ねよ、さらば見出さん、叩けよ、さらば開かれん」
自らの信じる道を真直ぐに進むべきである。






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2014-12-24 11:39

私の競争者はお化けのように大きくなった

三橋貴明氏の「新日本経済新聞」の最新の記事「グローバリゼーション」の冒頭である。

http://www.mitsuhashitakaaki.net/page/2/
---------------------------------------------------------
ギリシャとロシア、そして日本の「問題」には、一つ共通項があります。
それは、「グローバリゼーション」です。
実は、「グローバル化の度合い」を比べたとき、上記三カ国で「グローバル化が浸透した順位」は、ギリシャ、ロシア、日本の順番になります。
意外かも知れませんが、日本はロシア以上にグローバル化していません。
国民の認識の話ではなく、実質的な話になります。

グローバリゼーションとは、モノ、サービス、ヒト(労働者)、そしてカネ(資本)の国境を越えた移動を自由化する。
そのために政府の規制(関与)を可能な限り小さくし、企業家や投資家が「グローバル」市場において、自由にビジネスを展開することを可能とする。
結果的に、経済は成長するという「考え方」になります。
何しろ、政府の関与を小さくするため、「国民経済の成長」「国家の安全保障強化」といった「考え方」とは、置き去りにされざるを得ないわけです。
そして、グローバリゼーションに組み込まれてしまった国家は、否応なしに「グローバル投資家」「グローバル企業」に都合がいい政策を採る羽目になり、「国民」が置き去りにされていきます。
----------------------------------------------
ここに書いてある通りで、日本は世界でも希有なぐらいグローバル化されてない国です。
先人の必死の抵抗で何とか、ここまで守り通して来たということです。

欧州諸国も昔はここまでグローバル化されていませんでした。
以前、欧州の中小企業を回って居た時に、ある社長の発した以下の言葉が強く印象に残っております。

「私の競争相手は皆、お化けのように大きくなってしまいました」

この「お化けのように」という比喩は実に絶妙です。
お化けのように怖い存在であるが、お化けのように実態が無いのです。

なぜ、お化けのように大きくなったのか?
米国の巨大なグローバル企業に買われてしまったからです。
この社長は、以前はドングリの背比べで互いに競っていた競争相手の企業群が、
全て他国のグローバル企業にM&Aされてしまい、その巨大企業の一部になってしまったと言っているのです。

以前の経営者に金を払い企業を購入する。
従来の経営幹部は全て邪魔になるので追い出す。
本社から新しいマネージャーがやってくる。
若い社員はそのまま雇用する。
こうして、お化けが出現するのです。

お化けは怖いです。
資本力がありますから。

・・・・この社長とディナーを楽しんだ後に、大西洋を渡り、ニューヨークへ。

この米国市場でも1900年代初期から続く老舗の中小企業は、
グローバル企業に買われて「お化け」となっております。

古い友人との対話。
「この商品の市場規模と最近の市況を聞きたくて、あんたが所有していた事務所に電話したのですが、分からないとの回答だった。あんたが社長の時は、この分野ではトップの会社ではなかったのか?」
「M&Aで幹部もベテラン社員もが全部、辞めてしまったので、何も分からなくなったのでしょう。」

M&Aとはそういうものなのです。

日本はかなり浸食はされているが、それでも奇跡的に中小企業群が残っているのです。
安部首相の新自由主義的な発言は、こういう背景の中でのものであることを知っておくべきでしょう。
意味わかりますね?

そして国民がグローバリゼーションにNOと云い続けることが、ますます必要です。

追記:なお、企業購入は米国のグローバル企業だけではなく、スイスも得意技。なにが永世中立国だ。
    
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2014-12-23 21:25

あるベンチャー企業での対話

本日は都内にある某ベンチャー企業で午後からずっと議論してきた。
ベンチャー企業と云っても従業員3人と超零細企業である。
そして、社長は工業高校を卒業して、そのまま実業界に入り、やがて独立して研究を続けた。
6年かけて1億ぐらい使い、画期的なものを発明、国内の大手からオファーが殺到している。
全くのオリジナルな商品の場合、日本の場合、例によって規格の面で通りにくいという話があり、行政当局と話は進めているが、・・・・待ってられないので、外国のオファーを受けて、まずは外国での採用を進め、実績ができてから日本へという・・・いつものパターンになりそうだ。

私は規制緩和に対して反対と書いているが、これは必要な規制緩和を行わずに、必要の無い規制緩和ばかりをするからだ。
規制緩和の目的が外国のレベルの低い商品を国内に入れるために、国内の鉄壁規制を緩和するというものだ。
しかし、外国のレベルの高すぎる商品が日本に入って来るための規制緩和はまるで進まない。
国内の零細企業の発明したレベルの高すぎる商品も・・・・・国内では規制に引っ掛かり販売できないのである。
しかし、それでは高品質・高機能商品を開発するベンチャー企業は育たない。

本日は、それぞれの分野の専門家が集まり、超絶的に零細なベンチャー企業を様々な面でサポートするための打ちあわせである。マスコミへの露出は来春からなので、詳しいことは書けないが、日本の研究・開発・商品化の力は、中小企業・零細企業の自由な発想に握られているのは事実。

そして、生産についても議論したのであるが、現在は中国で生産しているが、できれば国内に移したいと考えている。
国内は空洞化していて、適当な生産工場が見つからないため中国の工場に生産委託(危ないので二世代前商品のみ)しているが、国内でもう少し探す努力をすべきではないか・・という結論に達した。

なお、本日の話以外にも、国内の中小規模の腕の良い職人の居る工場を探している大手はかなりある。
時代は変わりつつあるのは確かである。
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2014-12-18 00:21

大手からやってきたケオトス氏の肖像

業界の老舗にして堅実経営の某社。
この会社には30年以上の付合いになる業界を知り尽くした幹部が居た。
確かにキレ者ではない。
何処から見ても「良い人」であり、あまり理屈は云わず体育会の乗りで問題を解決するタイプ。
顧客からも仕入れ先からも好かれ、かつ同業者からも好かれていた。
ところが・・・3年ぐらい前から、一人減り、二人減り、三人減りと次々と幹部が失脚していった。
いったい何が起きているのか?
社外からはさっぱり分からない話であった。
そして・・・ついに誰も居なくなった。

本日、某老舗の取引先から「あの会社は最近変なんですけど、どうなってるの」の問い合わせがあり、その後、情報を集めて愕然とした。
リーマン・ショックの後に大手をリストラされた人材が中小企業の中途採用に殺到する事態が発生した。
「うちも余裕があるわけではないけど、大手で活躍していた優秀な人材を採用できるのは今しかないとい思って採用したのだよ。新しい風を入れたいと思ってね」と、そこの社長は云っていた。

それが・・・。

「弁舌爽やかなんですよ。プレゼンも信じられないくらい上手。そして努力家で、熱心で、必死で努力する」
「素晴らしいじゃないですか」
「最初は、さすがに大手で出世した人は、我々とは出来が違う」と皆、喜んでました。
「それで、実績は上がったのでしょうか?」
「それが・・・まずは会社の機構改革についての提案ばかりで・・コンプライアンスに熱心でして、その結果、優秀な成績を上げていた営業マンが多量に退職しました」
「悪い事やってたのですか?」
「どうしても目標に到達できない時に、最後の最後で数字を作るとかね」
「翌月の註文を今月に売上に入れちゃうとかの伝票上の操作を少々・・・悪習であるとは思いますけど、今月、お得意先にお願いして辻褄を合わせて来月は新規獲得で頑張るという事でやっているのです。」
「なるほどね顧客との過度な癒着ということですか。それで・・・本人は営業面で成果を出したのか?」
「営業的に良い成績を上げてどんどん出世するなら良いんですよ。」
「そうじゃないんですか」
「異業種から入って来て業界のことは、そう簡単にはわからない。それなら聞いてくれれば、いくらでもサポートしますよ」
「そうじゃないんですか」
「そうじゃないんです。業界のことを知ろうとはしないのです」
「では、どうやって」
「それは云いたくないんですが・・やはり最近の大手というところは普通じゃないことが良く分かりましたよ」

大手は減点主義なので、意欲的に何かをやって失敗すると失脚する。
何もやらない人は得点ゼロでも減点もゼロなので、失脚することはない。
その結果、何もやらない人物が生き残る。

「それだけなら良いのです。それだけではないから困る。
営業とか新規販売ルートの開拓とかの面では何もしないのですが、人の足を引っ張って奈落に突き落とすのです。
その技術は実に巧みにして熟練していて驚くばかりです。
古手の幹部たちは仕事で失敗したのではないのです。すべて醜聞による失脚ですよ」

そういえば社長は古参の幹部が不正をしているのではないかと疑っていたが・・・それはケオトス氏の仕業であったのか?

その結果、ベテランの幹部が誰も居なくなり、会社は迷走を始めたようである。
やはり、中小企業には、変な部分がり優秀な人材はにマッチしないようである。
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2014-11-23 13:13

彼らが良い時には、我らが悪い

戦後の復興の中で大企業を代表する経団連から、中小企業も一緒にやらないかという話があったらしいが、銀座一丁目の襤褸ビルの中で、鮎川義介は「やはり、それぞれ違うと思うので、別々にやりましょう」と断ったという。
やはり、それぞれ違うのである。
中小企業の中で、ほんの一部は大企業の下請けになっているが、それは一部の恵まれた企業、一部の愚かな企業、一部の可哀想な企業であり、だから「下請法」で保護されているのである。
大部分の企業は大企業と同等の立場で取引して、同等の立場で競争している。
だから下請法の対象にはならない。

政府が発表するGDPは大手も中小も零細も、全てを総計したものである。
大手が良い時期に中小が良いとは限らない。
大手が悪い時期に中小が悪いとは限らない。
どうも逆になるようだ。

ですから、今回のGDP速報値も、良く見れば、そんなに悪いわけではないというような判断をする経済評論家は、しょせんは評論家であって、その限界が露呈したということである。

バブル経済期
大企業 激良
中小企業 低迷

バブル崩壊以降
大企業 激悪
中小企業 良好

橋本消費税増税
大企業 低迷
中小企業 激悪

小泉構造改革
大企業 良好
中小企業 最悪

民主党政権
大企業 激悪
中小企業 低迷

アベノミクス
大企業 良好
中小企業 激悪

安部消費税増税以降
大企業 良好
中小企業 最悪

小泉構造改革以降の日本の大企業は海外進出が進み、日本市場への依存度が低下しているので、
純粋に国内需要を引き下げることを目的に実施される消費増税の攻撃から自由で居られる。
ところが、国内需要にほぼ100%依存している中小企業が甚大な影響を受けるのである。

以前、欧州の中小企業を営業で回っていた頃、単なる町工場に毛の生えたような中小企業でも、必ず貿易部門があり、貿易依存度が極めて高いのに驚いたことがある。50%以上は海外市場で稼いでいる感じである。
そして、出荷先のメインは旧植民地である。
旧植民地は政治的には独立したが、民間の権益は残っているので、そのまま営業が続いている。
言葉も100%通じるし・・・羨ましい限りである。
日本は敗戦で海外の権益は全て失った。
国内需要だけがすべてである。
そこに欧州のような高い消費税を導入したら中小企業は最悪になるだろう。
今はまだ影響は本格的ではない。
これからジワジワ効いてきて、2年過ぎたことから崩壊が始まると予想される。
その時に消費税10%のプレゼントがやってくるらしい。

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2014-11-19 13:11

資金需要がない

昨日は銀行員が来た。
この年末の資金需要が無くて困っているらしい。
なにせ、国金から直々に「年末資金の御用命は?」と電話が掛かってくるぐらいだから、余程需要が無いのであろう。
今まで、こんなことは無かった。

さらに笑えるのが商工会議所と組んだ融資説明会。
一週間ぐらいの期間があるのだが、すでに開始されて3日後に当社に案内が届く。
「零細企業には声を掛けないつもりだったのだが、応募者が少ないので、仕方がないから出すか」
・・・・という話ではないかと受け取ったが・・・でも資金需要は無い。

昨日やってきた銀行員には「景気が良くならない限り資金需要があるわけないだろう」と話した。
昔とは違うんですから。
昔は景気が悪くなると資金需要があった。
それは小泉構造改革の前の話。
小泉構造改革で「金の無い会社には金を貸さない、貸せるのは金のある会社だけだ」となったので、
中小零細企業は資産を売却・整理して金を作り、社内に貯めこんでいる。
不景気になったら、それを使うだけである。蛸足経営を続けているのである。
景気が悪くなったら中小零細企業が危ないというのは小泉構造改革の前の話なのだ。
今、危ないのは、本当は中堅の上の方。

消費税への対応
既存の仕入先は悲惨。
新規仕入先が大きく伸びている。
10月は既存が対前年比40%減。
既存と新規合計で対前年比110%。
既存の同一商品の仕入れには消費税3%がプラスされるので、
別の安い商品を仕入れて販売すれば3%は影響なし。
さらに不採算の商品を大胆にカットしたので、通期で総売上げは減少。
利益率を確保しつつ国に支払う消費税も削減可能。
もう、戦争中の配給時代ではないのですから消費税率を上げても消費税収は増えません。
  1. 中小零細企業の実態
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2014-09-14 16:42

新 live and let die 死ぬのは奴らだ

「保証金を払える規模」=「売上規模」になる中で、地域密着型の小企業の営業規模が半分から3分の1になったのが、小泉構造改革以降の流れである。
「痛みの伴う改革」ね。確かに激痛でしたよ。
小企業の売上が半分になる中で、その放棄した営業拠点、放棄せざるを得なかった市場はどうなったか?
中規模以上の企業が次々と拠点を開設して、市場を「戴きます、ごちそう様」。
あれよあれよと巨大化したのです。
小規模企業が、御近所の同業者が「息子が継いでくれないので、足元が明るいうちに廃業しようと思う。長年のお客様へのサービスを引き受けてくれないか」ちゅう話があれば、どこで聞きつけたのか仕入れ先が「それなら保証金の積増ね、それがないと売らないからね」と通告してくる現状を見ても、大手が次から次へと新拠点を開設できるのは信じられない話なのである。
「いやあ、金があるところには、あるもんだねえ」
「ちゃんと保証金を積んで営業所を開設してるんですよね」
・・・・と聞くと、何故か明確な答えが返ってこないのですけど。
外見では大手が営業拠点を伸ばし、小規模企業は営業拠点を縮小しているわけですから、
斬新な経営手法で大手が中小を凌駕している。
我々は「勝馬」の乗るのだ・・・と特別扱いしているんとちゃうやろか?
その後、リーマン・ショックのあった2009年頃に、そういう大手が倒産して、仕入先は大変な損害を受けたけど・・あれ、保証金は取ってなかったの?
でも、その後は小規模企業への保証金はさらに厳しくなりました。
「あんな大手でも倒産するんだから小規模・零細はもっと危ない」と思うらしいです。
本当に大手が生き残り、中小零細は滅びると思いこんでいるようです。
急速に営業拠点を増やした大手は、人材は新人ばかりとなり、商品知識が乏しいので「安売り」だけを武器にしているのです。仕入れ先もそれを応援するため「ありえないようなボリューム・インセンティヴ」を支払って後押ししている。
日本市場のボリューム・インセンティブは何の規制もないですから、やり放題なんですわ。
欧米の流通企業が日本企業で敗退する理由は過当競争などではなく、競争政策の不備なのですけど、こういう話は現場レベルでないとわからんでしょうな。
少なくとも「理由なきボリューム・インセンティブ」は不公平であり米国の競争法では許されないのです。
日本のデフレの原因も、ここにあるので、そう簡単には克服できません。

今後、どうなるか?
それは分かりませんが、実際には動物界と同様に弱肉強食ではないということです。
本当に弱肉強食で、強者のみが生き残るのであれば、鼠は猫に食われて絶滅しているはずですが、鼠はますます元気です。むしろ、虎、ライオン、像など強いはずの動物が絶滅寸前ではありませんか。
最近は、大手が倒産する心配もありますので、仕入先に預けた保証金を第三者機関に預けて保全する必要があると議論されているのです。
  1. 中小零細企業の実態
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2014-09-12 22:40

続・続続 live and let die 死ぬのは奴らだ

保証金を払い終わると奇妙な状態になる。
「今日も明るく売上を伸ばすよう頑張りましょう」と朝礼で挨拶していた社長は、
「はて現金があるかいな?」と思慮する。
ちゅうのは、売上を伸ばすと、現金にて保証金の積増しが必要になる。苦しい。
売上が減ると、現金にて保証金が戻ってくる・・・嬉しい。
現金があるちゅうのは、ありがたいものですよ。

保証金を払った瞬間に、売上が目標ではなくなり、他のことが目標になるのです。
他のものとは「利益」ですたい。
利益の取れる営業・・・利益の取れる営業マンが必要。
・・・・従来型「いけいけドンドン」営業だと・・売上が伸びて即刻現金で保証金払うことになるので駄目。
(現実に保証金を超える注文が来ると仕入れ先は受注を止める)
付加価値の高い商品をじっくり説明・提案して販売する人材が必要になる。
「いけいけドンドン型」の営業マンは、この会社は売上を伸ばそうとしてないから潰れる・・と大手に移籍。
次に業務のIT化を推進して効率経営で利益を出す。
・・・・その結果、少人数、小規模の会社になってしまうのです。
しかし、利益が出るちゅうことは黒字であって法人税もしっかり払って内部に現金を貯め込む・
そうしないと「おちおち売上も伸ばせませんからね」

でも、世間一般には・・・・
外見では「あの会社は以前は3つの営業所があって、社員も多くて、元気な会社だったけど、今は、本社だけでひっそりと少人数で商売しているよ。大丈夫なのかねえ」
「元気な営業マンは皆、辞めてしまい、オタクみたいな社員ばかりだよ。やーね」
「やっぱり、弱肉強食の競争で小規模企業は淘汰されるというのは本当だった」
「可哀そうに、もうじき倒産だよ、南無・・・」
「きっと赤字だよ、社長は恥ずかしくないのかねえ」
「ああいう会社は、早く潰れて消えることが、日本のためだと政府の民間議員様が言っていたよ」

・・・となるのである。

さらに続く。



  1. 中小零細企業の実態
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2014-09-11 12:29

続続 live and let die 死ぬのは奴らだ

先日、モーニングを食べに近所の喫茶店に入ったら、隣の席で、どこかの小企業の社長さんと税理士がミーティングしてました。
応接室が無いような小規模会社は、よく喫茶店で打ち合わせやってます。
隣の席ですと話が聞こえてくる。
人材難の話と保証金の話をしていましたね。
「いずこも同じ秋の夕暮れ」ですわ。

寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば
いづこも同じ 秋の夕暮れ

この歌の解釈ですけど、
あまりにも寂しさがつのるので、庵から出て辺りを見渡してみると、
どこも同じように寂しい、秋の夕暮れがひろがっていた。

・・・最近は、このように解釈しているのでしょうか?
私が学校で国語の先生に習ったのは、そうではなかった。

あまりにも寂しさがつのるので、庵から出て辺りを見渡してみると、
虫は鳴くわ、蜻蛉は跳ぶわ、人々が総出で稲の刈り入れをやっているわ、果実は美味しそうに実るわ。
どこも同じように素晴らしい実りの秋が広がっていた。

・・・こういう解釈だったですたい。

「どこも同じように寂しい、秋の夕暮れがひろがっていた。」
意味が逆でんがな。
まあ、どうでも良いけどねえ。
小企業は「どこも同じように人出不足と保証金」に悩んでいるとですたい。

保証金を入れないと売らないと言われて、これは切りに来ていると分かるわけですが、
一応は検討させて戴きたいとし、次に分割払いをお願いするわけです。
10年の分割に・・・駄目
5年の分割に・・・駄目
2年の分割に・・・それなら社長にお願いしてみる。
ちゅうことで2年の猶予をもらう。
もちろん、社内に余分な現金はないわけです。
金ちゅうもんは回っているものですから。
貯めてしまえば横領だ汚職だ賄賂だとボウフラが沸くわけです。
・・・と言って、金を借りるわけにもいきません。
竹中平蔵とお友達の作った「金融監査マニュアル」により、赤字会社は当然だが
黒字会社でも自己資本比率が低い(内部留保が無い)と破綻懸念先となり
銀行から「金なら貸さん」と判定されてしまうのです。
するとやれることは各社様々でしょうが事業の縮小です。
例えば本社の他に2つの支店があったとする。
本社は会社の所有の土地に建っているが、支店は借り物が多い。
2つを閉鎖すれば、まずは敷金が帰ってくる。
敷金は家賃1年分ぐらいですから馬鹿になりません。
まず1拠点を撤退し、ほとぼりが冷めた頃にもう1つを撤退する。
従業員は本社に戻して、本社の営業を強化する。
その過程で「この会社駄目かも?」と思った社員は退社するので人員も減る。
支店を撤退した場合、その市場は他社に取られてしまう。
結果として売上が減り、保証金が払えるというわけです。
保証金を納めてしまえば仕入先のとって全くリスクなく売れる上得意客となるわけです。
商売が儲からない場合は、保証金を返却してもらい廃業する。
従業員に退職金も払い、さらにたっぷりと現金が残リと言うわけです。、

続く

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2014-09-09 11:51

続 live and let die 死ぬのは奴らだ

保証金の話になる前に「あんたらの手形は信用出来ないから現金で振込め」という話が長期に続いていた。
「それが嫌なら取引停止だからね」
「今まで手形取引を半世紀も続けてきて、何故なの?」
「社長がテレビに出ているエコノミストの講演を聞いて、信用出来るのは現金だけである。
手形など特殊日本的なものを信用すれば後悔することになる」と、方針を変えたんですわ。
「我々はグローバル時代に乗り遅れてはならない・・と朝礼で演説するんですわ」と営業マン。
「そりゃおかしいでしょう。まず、ここは日本ですよ。お宅の会社が世界に進出するかどうかは知らないが、
日本市場では日本の流儀でやってもらわないと。
それに、もう50年以上も取引していて、一度も事故は無いのですから・・その評価は無いのか?」
「グローバル化することで日本の市場は変わるのです」

・・・・このような消耗な議論があって、手形から現金振込(昔は売手の方が集金に来ましたのですけどねえ)に変更。
次が保証金ですわ。
その保証金は最低でも売上の2倍になるのです。
なぜ、そうなるかというと、分かりやすく、貴殿が朝日新聞を取っていると思って下さい。
毎朝、朝日新聞が届くわけですが、その度に、現金で払ってるわけではないですよね。
9月が終わったら、10月5日頃に集金人が来て1ケ月分を支払う。
しかし、9月15日の段階で貴殿が破産したとする。
すると1日から15日分の新聞代は払えませんね。
払えたら破産ではおまへん。
新聞屋は売掛金を回収不能となるのです。
この場合、保証金を取るとしたら、35日分が必要になるのです。
9月1日の新聞料金が回収されるのは10月5日であれば、9月の30日+10月の5日です。
これなら9月15日に破産しても、保証金をとっているから大丈夫といえるわけです。
朝日新聞がこんな条件を出したら・・・誰も購読しませんけどねえ。
しかし、小規模企業は弱肉強食の自由主義競争で必ず潰れると思い込んでいる大手企業は、
「いやなら取引止めましょうか?」と保証金を強要するのです。
大手企業の下請けなら「下請法」で、こうした強要はできませんが、
下請けではなく、通常の取引関係ですから、下請法は適用されません。
さて、前の事例が35日から2ケ月に伸びる事情は分かりますね。
商売では10月5日に発行された9月分の請求書の支払期限は、10月末日になるのです。
仕入れた商品を消費者に販売して料金を回収してから支払うためです。
最初に大きな資本があって、ドンと商品を大量に仕入れて商売を始める米国とは違うのです。
小資本で参入して顧客から回収して支払う。これを円滑に進めるために手形があった。

9月1日に仕入れた商品は10月末日に支払われるので、その間60日。
保証金は仕入額の2倍が必要です。

しかし、全てが10月末日に支払えるものではない。
一部の高額商品は11月末日でないと無理。
回収に時間が掛るのです。
この場合は保証金は積増しされるのです。
その結果、仕入額ではなく、売上高の2倍の保証金を積んで商売しているわけです。

続く。



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2014-09-07 12:52

live and let die 死ぬのは奴らだ

民間議員の書く提案書のみならず、衆議院や参議院での成長戦略の議論でも、相変わらず「日本には本来、死ぬべき企業が生き残っている」「新陳代謝が必要」「退場すべき企業が残っている」などと書かれている。
こういう話が出てきたのは小泉構造改革の時代である。
退場すべき企業・・・あまりにも傲慢な言い方ではないか?
これは10年以上も前から続いている話である。

規制緩和で弱肉強食の時代が来る。
護送船団の時代は終わり「勝ち組企業」と「負け組企業」に分かれる。
このように竹中平蔵や大前研一などがビジネス雑誌に書くものだから、
「将来、倒産必至の小企業、零細企業と取引継続するのは危険だ」
「一刻も早く取引停止を」
「彼らが倒産することが日本経済の活性化につながると竹中平蔵先生も言っているぞ」
・・・・と言うわけで、弱小企業を切りに掛ったわけですわ。
とはいえ、突然、取引停止とは言いにくいので「債権管理を強化」するという言い方で、
自主的に取引を止めてもらうように仕向けた。

弱肉強食の競争時代が来るので、お前らのような弱い企業は淘汰される・・・と言われている。
これが日本経済を新陳代謝して、強い日本経済を作る。
「痛みを伴う改革」だと小泉首相も言っている。
そこで、我々も、潰れると分かっている会社に売るのは不安なので、保証金を払っていただきたい。
・・・ということになったのだ。

大手企業・・・大事にしたいので、保証金は不要。
だって、大手は生き残ると経済評論家が言ってまんがな。
中規模企業・・・保証金をお願いに行く・・馬鹿にするなと断られる・・・そのまんま東。
小規模・零細・・・保証金を出さないと売らない。
「酷いじゃないか」
「やめてもらっても良いですから」(顧客は大手・中堅様に回りますので問題ありません)。
そういうことで、保証金を積むことになった。
「どうせ、連中は頭も悪いし、金もないから諦めるだろう」と高を括っていたわけだ。
しかし・・・・一寸の虫にも五分の魂である。
100寸の虫にも5分の魂。大企業
10寸の虫にも5分の魂。中宙企業
1寸の虫にも5分の魂。小企業

小さい企業ほど「魂」の比率は大きいのです。


続く。

ポール・マッカートニーの「死ぬのは奴らだ」


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2014-09-04 21:19

中途半端な「大手」がやばい

8月末の金曜日に先輩諸氏に呼び出された。
皆さん、70歳代であるが、20年前の活躍が嘘のように・・まるで元気がない。
時々、寂しいのか呼び出されて、相手をさせられる。

それで商売の話になり大手企業の元役員から「どうせ、お前ら中小企業は法人税払ってないだろう」「わざと赤字にして払わないのだろう」と挑発するものだから「畏れながら、今は時代が違うのです」と反論してみた。

確かに80%は赤字企業で法人税を払っていない。
しかし、それは全部、中小企業だというのは間違いである。
特に零細規模の会社は、ちゃんと利益を出して法人税を払い、内部に金を貯めこまないと商売が出来なくなっている。
零細企業は何の信用もないので、仕入金額に対応して保証金を積まないと売ってくれない。
保証金は仕入額の2倍を現金(土地、建物、貯金通帳は駄目)で先方に預けることを要求される。
もちろん、先方に担保として預けてあるだけで、その所有者は零細企業である。
大企業が竹中平蔵が大好きな米国流の会計基準を導入したため、
このような滅茶苦茶な要求をするようになったのだが、
結果として零細企業は仕入額の2倍の現金を保有することになったのである。
黒字ではないと現金を貯め込むことはできない。

ところが中小企業の中でも大企業に近い方は「保証金なんて馬鹿にするな」「それを要求するなら別の仕入れ先から仕入れる」と、立場が強いものだから、相変わらず自転車操業が多いのだ。
やばいのは、中途半端な大手なんだけど、分からんだろうなあ。
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2014-06-15 23:33

空想が現実で、科学が空想であった

協同組合を語らずして中小企業は語れないのであるが、日本の中小企業論には協同組合の話が完璧に、おそらく意図的に抜け落ちている。多くの中小企業が協同組合に参加しており、融資も信用金庫や信用組合から受けている。
当社も事業協同組合に参加しており、また、信用金庫に出資して、そこから融資を受けている。
日本の雇用者の40%程度は協同組合の加盟会社の従業員及び経営者である。

日本人である私は「協同組合の起源は欧州である」とは言いたくない。
戦国時代の楽市・楽座、あるい二宮尊徳、安藤昌益など日本には協同組合の思想と萌芽というものが実に多い。
しかし、それは置いといて欧州の話をすると、創始者はサン・シモン、ロバート・オーエンあたりである。
この2人の名前は、マルクス主義の入門書であるエンゲルスの「空想より科学へ」の中で、空想的社会主義として批判されている。その批判があまりに強烈で、サン・シモン、ロバート・オーエンについては、何をした人なのかは調べてないのに、単なる空想家であると思い込まれている。
しかし、エンゲルスさんよ。
あんたが科学と大法螺を吹いた階級闘争とかプロレタリア独裁はソビエトの崩壊で、科学ではなくて単なる誇大妄想であったことが証明されたではないか。科学の名前で何と多くの人達が虐殺されたことか?
一方でロバート・オーエンは空想家ではなく経営者です。
資本主義の初期には資本家及び経営者は総ブラック企業で大人の長期間労働は当たり前で子供まで働かせる状態。
こうした中でオーエンは中小企業が協力して大企業に対抗する協同組合を組織、従業員の労働環境を改善、学校を作り子供に教育を行い人材を育成したのである。
最初から中小企業対策としての協同組合なのだから、大企業の勝ち組代表の民間議員はなんとしても潰したい。
そこで現在、農協苛めに熱中しているわけである。
ロバート・オーエンの協同組合と、労働組合は似ているようでまるで違うのである。
労働組合は資本家と労働者の闘争という階級闘争史観が背景にある。
連合の会長が美しい目をしていても、騙されてはいけないのですよ青山はん。
協同組合は従業員と経営者が一緒に考え問題を解決するのが基本。
だから空想的と言われたわけだが、国際協同組合同盟の傘下組合(全国組織249組合)の従業員だけでも現在10億人を超えている。
全国組織を持たない非加盟組合を加えたらさらに大きな勢力である。
なお、日本の事業協同組合は、国際協同組合同盟には参加してないというのが私の理解である。
戦前に脱会してから戻っていないはず。・・・・というのは会費の分担金を請求されていないので。
農協と生協は加盟しているのは事実。
いずれにしても、エンゲルスは「協同組合は空想」と大法螺吹いたが、空想ではなく現実なのです。

<追記>
生活協同組合も協同組合の一種であるが、その性格上、ここはやや異色。
事業協同組合も農業協同組合も仕事に直結しているので、本部にお任せということはまずない。
それに潰れたら自分達の資産も吹っ飛ぶので、実に組合員の発言力が強い。
ところが現在の生協は、出資金など1000円程度だし、組合員数はやたら多いし、潰れても近くのスーパーで買えば良いというわけですから、あまり熱心な組合員は居ない。そこで本部主導になりやすい。
本部に変な思想を持ってるのが多くなると、ちょっと変というのが出てくるが、たいてい小規模生協。
生協は組合により様々なので、選んで加盟すれば良いのです。










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2014-04-27 13:12

財界とは何か?

財界とは何か?
ウィキぺディアによると

財界とは、大企業の経営者や実業家などが構成している社会を指す言葉。経済界もほぼ同義。
日本メディアが、「財界では~」「財界の動向は~」などという形で使われる場合は経団連・日商・経済同友会などを指す場合がほとんどで、一般的には労働界(労働組合)などと対置される


要するに財界は労働界に対置するもので、経済3団体を指すことになっています。

経済三団体とは。


日本経済団体連合会(経団連)
日本商工会議所(日商)
経済同友会

経団連は、政界への働きかけを担ってきた旧経団連と、労働問題を扱う日本経営者団体連盟(日経連)が統合され、02年に発足。
日商は中小企業の利益を代表。
同友会は経営者が個人の資格で参加し、自由な提言をするのが特色。

・・というのが一般的な認識です。

経団連と同友会は大企業と言うのは分かるが
日商が中小企業の利益を代表というのは?????????????????????????

?が無限に付いてしまうのですけど。
確かに中小企業は加入しているが、今の日商会長は新日鉄の元社長で今は相談役。
その前は東芝、その前は旭化成、その前は石川島播磨・・・どこが中小企業ですねん。
中小企業に溜まった不満のガス抜き団体でしょう。

しかし、マスコミは、この3団体しか相手にしないのです。
基本的な誤りは「財界」と「労働界」の二極対立でしか日本経済を見ていないということです。
これは基本的にマルクス主義経済学に汚染された見方であり、
もはや、この2つの対立という話は「時代遅れ」というより、そもそも間違っていたのです。
なにしろ青山繁春によると、連合の会長は「美しい目」をしてるそうですから。

安倍首相がメーデーに参加して話した通り、
給料を上げるのは景気回復しないと駄目なんですよ。
そして景気回復して給料が上昇したら、また景気が良くなるのです。

しかし、この話に一抹の不安があるのは、新自由主義者のトリクルダウン理論です。
鄧小平理論と酷似したこの理論は・・
「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透(トリクルダウン)する」とする経済理論でして、
鄧小平が白でも黒でも鼠を取る猫は良い猫である。雀を取る猫は「よもちゃん」である。
・・・と語り、金持ちになれる者から先に金持ちになれば、やがて貧しい者のも浸透すると語ったが・・・
現実には・・・そのようにはなってないのです。
金持ちはますます富み、貧しい者はますます貧しくなっているのです。

それは「金持ち」の特権を与えたからです。
その剥奪は、もはや革命でもないと不可能です。

日本も同じような路線に進むのではないかと危惧しております。、

そこで日本経済の別の側面について、そろそろ語り始める必要があるのではと思います。

中小企業には「中小企業4団体」というのがある。
この中で日商だけは中小企業の団体として財界の一部に認めてやるが、後は知らん(日本のマスコミ)

日本商工会議所
全国商工会連合会
全国中小企業団体中央会
全国商店街振興組合連合会

・・・ということなんです。
マスコミが知らんふりする理由は・・・これ等の団体は日商以外は守旧派と目されているからです。

この守旧派の世界について、徐々に書いて行こうと思います。
  1. 中小零細企業の実態
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2014-04-12 10:51

「日本経済二重構造論」は誤り

「日本経済二重構造論」というのが戦後のマルクス主義経済学の考え方であった。
インターネットで検索すると以下のような記述が出てくる。
-----------------------------------
一つの社会の中に,近代的要素と前近代的要素とが,それぞれ無視しえない比重をもって同時に存在している状態をいう。
この概念を生み出す直接のきっかけとなった現象は,大企業と小企業との間に存在する労働生産性および賃金水準の著しい格差である。
大企業は,先進工業国で開発された最新鋭の資本設備を導入し,高い労働生産性を実現する。
これに対して小企業では,伝統的な生産方法が用いられ,労働能率はきわめて低い。
この生産力の開差を反映して,大企業と小企業との間に大幅な賃金格差が形成される。
-----------------------------------------
大企業・・・近代・・・進んでいる・・・効率高い・・・給料高い
中小企業・・・前近代・・・・遅れている・・・・効率低い・・・給料低い

・・・・というような図式である。
この二重構造論は日本共産党などが中小企業を味方に付けようと熱心に流布した珍説であるが、
今でも「大企業の横暴を許すな」とやっているでしょう。
戦後の歴史学、経済学は、共産党シンパに制圧されていたので、大学でも、このように教える。
だから、戦後の中小企業政策は「近代化資金」と「下請法」であった。
ようやく「近代化資金」は終わったが競争政策は「下請法」しかないのは、そのままである。

もともとマルクスは「アジア的停滞」と言う概念で、西洋は封建制から近代へと進んだが、
アジアは封建制を残したまま続いており近代化が遅れているという考えであった。
ちゃいまんねん。
欧州がギルドでがちがちの時代に日本では楽市・楽座のような自由経済が実現していた。
日本は室町時代以降、世界で最も進んだ経済を運営していたし、
江戸は世界最大の都会であったことなどマルクスは知る由はないのである。

日本経済二重構造論の誤りについてのポイントは以下の通り。

<中小企業>
中小企業は大企業になれない「遅れた」企業ではない。
中小企業であることを選択した企業である。
その理由は、経営者が自分の責任の取れる範囲に事業を留めていること。
「これ以上、広げると私の目が届かない」と判断して、事業拡張しないと決めていること。
これは日本だけでない。
世界中の中小企業の経営者から、こうした考えを聞いた。
中小企業は法人の生き方の問題なのである。

<生産性>
事業の規模により必要な設備は違うと言うことである。
中小企業に学者が行って、大手にある機械が無いから「遅れている」「生産力低い」と思ってしまうのは間違い。
経営者は馬鹿でないから、最も効率的に運用する為の最適な設備にしている。
近代化資金で金を借りて最新式機械を導入したが、仕事の効率が悪くなって撤去した例は何度も見ている。

<低賃金>
これも、大企業に抑圧されている中小企業の労働者は低賃軍に喘いでいる。
「立て万国の労働者」と歌うためのインチキ理論。
中小企業と大企業の賃金格差は欧米の方がはるかに大きかったのである。
竹中平蔵の登場で新自由主義が導入されてから日本でも格差が広がったが、それでも欧米ほどではない。
欧州ではアッセンブリの一部を部品メーカーに任せるモジュール化が進展したが、
これは部品メーカー従業員の給料が安いので、その方がコスト削減できるからである。
日本でこれが進まないのは、それほどの給料の差が無いからである。

<下請>

大企業が社内の設備で、社内の労働者を使ってできる仕事を、安く外注するのを下請と言う。
大企業が開発して図面を書いたものを、下請に作らせる・・・これは下請である。
中国や東欧諸国、スペインなどで米国の大企業からコンピューターを通して図面がお送られてくるのを、あちこちで見たが・・・これが下請である。

しかし、日本の場合は、大企業が社内で生産できないものを部品メーカーから購入している。
設計・開発したのは部品メーカーである。これは下請ではない。
製品の開発は大手企業。でも、それを構成する部品の設計・開発は部品メーカー。
その部品の材料を開発するのは素材メーカー。
これは下請関係ではなく分業関係である。
現実に素材メーカーも部品メーカーの技術者も、昔からオファーに答えて世界を飛び回って仕事をしている。
なにが今頃「グローバル化への対応」「社内は英語で」だよ三木谷さん。

<おまけ>近代化資金秘話

日本の中小企業は遅れていて駄目なので、金を安く貸すから・・・あげるんじゃないよ・・・貸すから、設備投資して近代化を図れ・・というので1980年頃にも「まだ、近代化資金、やってた」のである。
この運営は商工組合。そこでの対話。

・・・金を貸すのは銀行でしょう。これをシロートの我々がやってるんですから上手くいかないんですわ。
本当に、こんな制度、止めて欲しいです。
・・・・金、返さない人も居るの?
・・・・いますよ。返すして欲しいとお願いに行くんです。泣きそうですよ・
・・・・設備投資ということで貸してるんでしょう。
・・・・申請書類はそうなってますが、借りた金をそれに使っているかまで追いかけられないです。
    担当者が私だけなんですから・・・それで県下全体をやってるんですよ。
    調べようがない。私だって金貸し専属ではないです。
・・・・近代化しようという前向きな経営者ばかりではないの?
・・・・そういう人も居るのですが、そうでない人も・・・

需要が伸びれば設備投資が必要になる。
こうした会社が業績が伸びているので、銀行が喜んで貸す。
近代化資金は必要ない。
それでは近代化資金を借りに来るのは、どういうケースなのか?
考えたら分かることである。
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2014-02-24 02:12

大企業と中小企業の間の暗くて深い河

昨日は某大手企業の技術系社員と特許関係の議論してから飲みに行った。
そして、感じたのは大手と中小の間の暗くて深い河である。
大手と言ってもアッセンブリではなく、独自の技術を持ち、かつ海外への売り込みの先頭に立っている方で、立派な方であることは間違いないのだが、やはり違うのですわ。


一番、大きいのは彼等が「日本は良い国だ」と思ってないこと。「貧しくても、もっと良い国が沢山ある」という。

これは意外な認識。

で・・・なぜなのかを考えると「日本の大企業が実は地獄である」ということですわ。
彼等に課せられている目標(ミッシュン)は一人で数億単位ですから。
零細企業の1社以上の目標を負わされたら、心休まる時はないでしょう。
そして、冒険が出来ないバランスシート経営と毎月決算。
これは地獄だわ。
それに、一度、失敗したら終わりですから。
子会社に飛ばされて二度と戻ってこれない。
そして、出世するのは、失敗しなかった人間・・・要するに新しいチャレンジは行わず、上手に立ち回った者と言うこと。
経団連の会長が、どんどん小粒になるのは・・・仕方の無いことかも知れません。

一方、中小企業の方は、苦しいですけど地獄ではない。
状況が変わったらチャレンジしないと生き残れないから、頭はいつも柔軟に。
儲からないけど仕事は楽しい。
日本は1億2000万人の均一市場。これは素晴らしい宝だと思っている。


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2013-12-27 00:03

中小企業を潰す政策を取ってますから、こうなるでしょう。

中小企業庁は26日、中小企業の数が2012年2月時点で385万社だったと発表した。400万社台を割り込んだのは調査を開始した1981年以来初めて。大企業も含むすべての規模の企業のうち、中小の占める割合は99.7%だった。

12年に政府が実施した「経済センサス・活動調査」の結果をもとに集計した。420万社だった09年の前回調査から35万社減り、3年間の減少率は8.3%となった。特に規模の小さな「小規模事業者」は334万社と32万社落ち込んだ。

中小企業の数は1986年以降、減る傾向にある。中小企業庁は後継者が見つからないまま経営者の高齢化が進んで廃業したり、大規模小売店の進出で売り上げが激減したりしたことなどを背景に挙げている。

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中小企業を潰し、地方を疲弊させる政策はいつから始まったのか?
宮沢・・・細川・・・橋本・・・小泉・・・・そして民主党政権と続き、まだ継続中である。

しかし、中小企業を潰せば国の活力が消えて、内需が縮小し、大企業も困るはず。

今の大企業は半分以上を海外で稼いでいるが、
日本という天国のような素晴らしい市場を遺棄し見捨てるつもりなのでしょうかね。



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2013-11-06 23:11

信用保証協会  やはり駄目でした

1953年(昭和28)施行の信用保証協会法に基づき中小企業の円滑な資金調達のために設立された公的機関。

中小企業の潜在的信用力を発掘し、中小企業と金融機関を結び付ける仲介者の役割を果たす。

現在で全国に52の協会がある。

 

日本の中小企業は事業所、就業労働者のいずれも圧倒的多数を占めるが、事業の将来性や経営能力があって将来発展する可能性をもっていても、信用力や担保力の不足のために金融機関からの借入れや資金調達に困難をきたしがちである。

 

中小企業の将来性と経営手腕を適正に評価して企業の信用を高め、信用保証を通じて金融の円滑化に努め、相談、診断、情報提供などの多様なニーズに的確に対応することにより、中小企業の経営基盤に寄与して中小企業の振興と地域経済の活力ある発展に貢献している。

 

信用補完制度は、協会の行う信用保証制度とこれを再保険する中小企業信用保険制度を統括したものであり、中小企業金融円滑化のための日本独特の制度である。

 

信用保証制度は協会斡旋(あっせん)保証か金融機関経由保証のいずれかを活用することにより、中小企業が金融機関から事業資金をスムーズに借入れられることになる。

 

中小企業者は信用保証料を支払って申込み、協会の保証承諾書を受け取った金融機関から借り入れる。

 

信用保証最高限度額は無担保保証で8000万円、普通保証と合算すると2億8000万円である。

 

中小企業者が債務を返済しない場合、協会は金融機関の請求によって債務者の中小企業者にかわって債務を返済(代位弁済)する。

中小企業信用保険制度は、協会が金融機関に代位弁済した場合、保険先の日本政策金融公庫(以前の中小企業金融公庫)から代位弁済額の70%(ときとして80%)を保険金として受け取る仕組みである。

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そういうわけで、今回も・・・・公的機関の推薦状を貰い。

銀行の融資係の厳しい査定も通過し。

銀行の本部のOKも取り。

 

・・・でも、信用保証協会が・・・保証をしないと言うので、関係者の努力が水泡に期す。

 

昔なら何の問題も無く借りられたほんの少額の運転資金も借りられないのです。

 

 

 

 

 

>>信用保証協会  やはり駄目でしたの続きを読む

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2013-10-22 12:38

下請法は多くの中小零細企業には役に立たない



この動画で渡邉氏が18分当たりに「現行法で下請法があるが公取の人数が少ないので全国的に取り締まりが出来ない」と述べているわけですが、下請法の対象企業なら法的な根拠があるので戦えるわけです。

問題は下請法の適用を受けない「その他大多数の中小・零細企業」なのです。

下請法の条文を見てください。
--------------------------------------

下請代金支払遅延等防止法
(昭和三十一年六月一日法律第百二十号)

第一条
この法律は、下請代金の支払遅延等を防止することによつて、親事業者の下請事業者に対する取引を公正ならしめるとともに、下請事業者の利益を保護し、もつて国民経済の健全な発達に寄与することを目的とする。

第二条
この法律で「製造委託」とは、事業者が業として行う販売若しくは業として請け負う製造(加工を含む。以下同じ。)の目的物たる物品若しくはその半製品、部品、附属品若しくは原材料若しくはこれらの製造に用いる金型又は業として行う物品の修理に必要な部品若しくは原材料の製造を他の事業者に委託すること及び事業者がその使用し又は消費する物品の製造を業として行う場合にその物品若しくはその半製品、部品、附属品若しくは原材料又はこれらの製造に用いる金型の製造を他の事業者に委託することをいう。

この法律で「修理委託」とは、事業者が業として請け負う物品の修理の行為の全部又は一部を他の事業者に委託すること及び事業者がその使用する物品の修理を業として行う場合にその修理の行為の一部を他の事業者に委託することをいう。

この法律で「情報成果物作成委託」とは、事業者が業として行う提供若しくは業として請け負う作成の目的たる情報成果物の作成の行為の全部又は一部を他の事業者に委託すること及び事業者がその使用する情報成果物の作成を業として行う場合にその情報成果物の作成の行為の全部又は一部を他の事業者に委託することをいう。

この法律で「役務提供委託」とは、事業者が業として行う提供の目的たる役務の提供の行為の全部又は一部を他の事業者に委託すること(建設業を営む者が業として請け負う建設工事の全部又は一部を他の建設業を営む者に請け負わせることを除く。)をいう。

この法律で「情報成果物」とは、次に掲げるものをいう。
1、プログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。)
2、 映画、放送番組その他影像又は音声その他の音響により構成されるもの
3、文字、図形若しくは記号若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合により構成されるもの
4、前三号に掲げるもののほか、これらに類するもので政令で定めるもの
--------------------------------------------------
この条文を読めば分かるでしょう。
下請企業とは親企業(大企業)から製造委託、修理委託、情報成果物作成委託及び役務提供委託を受けている業者のことを指すわけです。

そして・・・
この法律で「下請代金」とは、親事業者が製造委託等をした場合に下請事業者の給付(役務提供委託をした場合にあつては、役務の提供。以下同じ。)に対し支払うべき代金をいう。

・・・とあるように、役務と引き換えに戴く料金のことです。

中小・零細企業が大企業に商品を販売する場合はどうか?
中小・零細企業が大企業から商品を仕入れる場合はどうなのか?

これは通常の商取引であって、下請法の対象になる取引ではないのです。

要するに下請企業とは大企業の周辺に存在する、大企業と直接取引があり、かつ製造委託、修理委託、情報成果物作成委託及び役務提供委託を受けている業者・・・・のことなのです。

こんなものは数ある中小・零細企業のほんの一握りの「恵まれた企業」でしかないわけです。

委託ではなく、通常の取引の場合、取引条件は交渉で決めると言うことになる。
大企業と価格交渉できるのは一部の特殊技能を持った町工場だけなのです。
普通の製造業や問屋や小売などは何の交渉能力もありません。

この点について、私は中小企業庁のやっている「下請駆け込み寺」に、駆け込んで聞いてみたことがあります。

http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/kakekomi.htm

「大企業から強引な値引き要求を突きつけられ、拒否なら取引中止と言われたのです」と相談。
しかし・・・、その回答は・・・・

・・・・・貴方の会社が下請企業ならば、下請法の対象となり、その行為は違法となります。
しかし、この事例ですと別に相手方企業から何かの委託を受けているわけではなく、単なる企業と企業との商売上の交渉の問題ですから、下請法は適用されません。

今回の消費税の転嫁の問題は、ほぼ全てが単なる企業と企業との商売上の交渉の問題ですよ。
この分野に下請法のような法律はありませんし、そもそも法で縛るのが無理でしょう。
公取の人数が少ないのが問題ではないのです。
法律が無く、法規制も難しい分野なのです。

ですから・・中小零細は転嫁は諦めるしかないのです。

大企業と中小企業の取引というと「下請取引」しか頭に浮かばない経済評論家の方が多いのが、悲しいですね。
なんと昭和31年に制定された法律なんです。
その後は何も無いのです。

下請法を持ち出すのは米国のロビンソン・パットマン法のような規制をやりたくないので誤魔化しているとしか、思えません。
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2012-05-02 07:48

とんび

 

前のエントリーの最期に掲載した表を作って見て、こりゃ半分はとんびだわ。どこの業界も似ているな・・・と思ったわけです。

 

私の関係している業界でも、東京都内に100社あるとすると、その半分の50社は大手の問屋から直接、仕入れができません。群れから離れて唯我独尊で飛んでますので「とんび」と呼ばれています。

 

何故、できないか?

会社としての信用がないからです。

多くは零細規模です。でも、従業員3人の小さな会社でも、大手問屋と取引きしている例があるので、単に規模が小さいからではない。

 

社長が信用されてない。

怪しい従業員が多い。

会社であっても、会社の形態になっていない。

本社所在地はあるが、従業員はいつも居ない。

仕事が入ると、人が集まり、仕事がないと繁忙他社の仕事を手伝っている。このような形態ですね。

-------------------------------------------- 

  

同社は正社員が5、6人で、繁忙期などで運転手が足りないときは臨時に雇うという。小さな4階建てビルの一室に会社事務所があり、看板はかかっていない。所有するバスを止める駐車場も他の運行会社などともに使っている。

 

 

この記事で、やっぱりねと思いました。

 

ですから、ここ数日、テレビなどで、悪い資本家の社長が運転手をこき使っていたので、過労により事故に繋がったというのは、違うと思うのです。そのレベルの話ではないのです。もっと、ずっと低レベルで悲惨なんですから。

全国にわずか2000社程度しかない上場企業を中心にしか思考できないマスコミが伝える話は長閑です。

 

私の関連している業界で、大手問屋から仕入れられない約半分の事業者は、何処から仕入れるのかと言えば・・。

メインは何らかの関係のある同業他社です。

同業他社から仕入れて商売が成り立つのか?

誰もが不思議に思うのですが、不思議なことに続いているのです。給料激安にしないと無理。外国人の労働者が多いですな。

 

民間のビジネスでは、取引を希望しても、その会社の信用度が低いと、取引拒絶の対象となります。

契約自由の原則がありますから。

国の規制も同じようなもので、信用度の低い業者は、企業体質を強化し、安全や環境に対する規制に適合できるレベルになるまで参入を拒否してきました。

 

そこに規制緩和論者は噛み付き、規制を緩和すれば経済は成長すると主張したのです。

 

今回の・・・ 

  

同社は正社員が5、6人で、繁忙期などで運転手が足りないときは臨時に雇うという。小さな4階建てビルの一室に会社事務所があり、看板はかかっていない。所有するバスを止める駐車場も他の運行会社などともに使っている。

  

・・・・のような会社は民間の取引なら拒絶の対象ですが、政府の規制はスルーなのです。

さすが規制緩和論者の活躍は目覚しい。凄いものです。

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2012-04-23 20:36

中小企業の法人税・地方税

中小企業者等の各事業年度の所得金額のうち年800万円以下の金額に対する法人税の軽減税率を18%(本則税率:22%)とする。
 

 

麻生さんがリーマン・ショックの時に18%まで下げ、そのまま軽減税率が続いている。

 

当社の昨年度の決算がまとまったが、税引前当期純利益の37%を税金として支払うことになる。

63%が当期純利益である。

 

以前は税金で「半分は持っていかれる」と言われていたが、今は37%である。

 

この37%の税金の中で多いのは法人税ではなく、地方税である。

当社が収める税金全体の中で法人税は39%で、地方税が61%である。

 

 

 

 

今、法人税を納めている企業は全体の20%程度と思われるが、政府が財政出動して、景気を回復させれば、法人税収は一挙にアップするだろう。

 

昔は「どうせ半分は税金で持ってかれるのだから・・」と経費を増やして、赤字にする不心得者も居たが、今はそのような状態に無い。

 

昔は現金が無くても手形にして支払いを伸ばすことが出来たが、今は「手形なら取引き拒絶じゃ」の時代であり、現金が無いと仕入れが出来ない。

 

当然、現金は無いが将来は有望なので銀行さん金貸して・・・という話も無い。

金の無い奴は、金も借りられない。

 

だから、黒字にして、税金を払って、残った利益を戦略的に使って、さらに儲けるしかないのである。

 

今や、多くの経営者が黒字にして税金を払いたいと必死の努力をしているが、10人の中で2人しか黒字にできないのである。

 

政府が日本を不景気にする対策を止めて普通の経済政策を行えば、10人の中で5人には直ぐにも戻る。

 

弊害の多い消費税などに頼るより簡単に税収が上げられるのに、何故やらないのかねえ。

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